バラ科フルーツの季節でございます。

みなさま、いつものことですがお久しぶりでございます。

東京は数日涼しい日があったけれど、また30℃を超える暑い日が続いてます。東北では雨が続いてたり、沖縄や九州地方も台風の影響なのか風雨にさらされているようで、この夏は「夏の要素が一気に起こっている」って、ニュースでは言ってたわ。
ずっとこんな調子なのかしら、この夏は…。「夏が大好き〜!」と言ってはばからなかったワタシでさえ「冬が恋しい…」とついこぼしてしまうほどだわ。

あら、久しぶりにアップするっていうのに、またグチから始めちゃって、ごめんなさい。
夏の悪口を言うけれど、夏は果物がじゃんじゃんと届くジャム屋的には楽しい季節の到来でもあるのよね。
あ、楽しいだなんて言ってるけど。
楽しくもあり、果物に追いかけられる苦しい季節でもあるのでした。
実った果物はアッという間のタイミングで熟しちゃうもの。
収穫したら農家さんはすぐに出荷したいでしょう。受け取ったコッチは冷蔵庫の容量をはかりながら荷受けして、次から次へと加工しないといけないわ。果物をダメにしないようにね。
農家さんからの出荷連絡と自分の処理能力を天秤にかけながらの緊張感ある日々なのよね。
ホントよ。

そんな怒濤の夏の果物シーズン到来を知らせるのが、梅なのね。
エバジャムでは白加賀っていう品種が一番に届くわ。
それは6月の頭ですから、エバジャムの夏は6月から始まるってことね。
夏のスタートが早いんだわ。

白加賀ってのは、スーパーなんかでも一番始めに出回る品種で梅酒や梅シロップ作りのためにって、まだ固くて青い状態のが売ってますね。
産地は関東地方に多いですね。


白加賀梅


そのあとで市場に出てくるのが、ウチのあたり、東京は武蔵野では紀州の南高梅よね。
南高梅ていったらThe・梅干しって印象ですよね。和歌山県特産の高級品種で、南高梅=おいしい梅干しってインプットされてません?

南高梅も良いですよ。
スーパーに並ぶふっくらと紅色をさした黄色い大きな南高梅を見ると、そりゃあ「うう〜ん、煮てみたい…。」と見つめちゃう。
だけど、だけど、なあんで遠くからやってくる南高梅様ばかりが重宝がられるのようぅ。
関東にも南高梅に匹敵する高級品種があるってのにさ。

神奈川県は曽我の十郎梅といえば、「西の南高、東の十郎」っていわれるように(なにかで読んだの。)粒の大きさと、熟すとほったりと柔らかい肉質、品の良さで南高梅に負けないんだから。
その十郎梅が白加賀のつぎにエバジャムに届くのよ。ワタシとしては手に入らない年もあることだし煮られるのが嬉しいわけね。だけど今ひとつ販売してる時の反応がうす〜いのよ。
お客さんの反応がよっ。
「十郎梅?ふうん…。」てな感じ。
これが南高梅だったらリアクションが違うんじゃないかしら…、なんて考えたりして。
え!?梅の種類にじゃなくて、ジャム自体に魅力がないのかしら!?
いやだ、そこんとこも考えないといけないわね。


レモンと十郎梅


などとひとり十郎梅の肩を持つのだけれど、ワタシだってジャム屋になってから梅にも色いろあることを知ったわけですが。
あんまりにも十郎梅の名前が知られてないのには、ワタシが扱うようになったここ数年のあいだに不平がつのるばかりなの。
あ〜あ、もう少し十郎梅に注目してやっても良いんじゃないのさ。
町(神奈川県小田原市)を上げての広報が足りないんじゃないかしら〜。んもう。


十郎梅。


まあ、良いわ。
それじゃ、豊後梅っていうのもあるの、知ってます?
この梅ももちろんジャム屋になってから知った梅ね。
山梨の農家さんが持つ1本の豊後梅の古木から、木の調子が良いときだけに収穫して送られてくる実は、なんと杏との中間品種らしく、黄色味の強い見た目や、甘ぁ〜い香りはなるほど杏にそっくりね。
杏味が入ってるから、ジャムにはもってこいなのよ。


豊後梅


だから毎年煮たい梅なのに、古木の豊後梅は実ったりまったく実らなかったりで、気まぐれでしか手に入られないのよ。
農家さんと「もう寿命かもしれないからねえ…。今年はどうかなぁ…。」なんて会話を何年か前までしていたのを、去年はあきらめモードで話題にもしなかったけど、それが今年は突然送られてきたの。
嬉しかったわ〜。
すぐに送っていただいて、サクランボやホンモノの杏を大急ぎで煮てから、豊後梅に取りかかったわ。
これでスケジュールと冷蔵庫はギュウギュウよ。
そのせいで今年初めての桃の発送は泣く泣く断ることになっちゃった。今でも手元に桃がないのは悔やまれるけど、欲を出して頼んだら腐らせちゃってたかもしれないんだから、こういう時の判断は”勇気ある撤退”と名づけて、農家さんに丁重にお断りするのよ。
全部の収穫に追いつきたいけど、それがかなわないのが、夏なのよ〜。

あ、またグチってたかしら?




ちなみに豊後梅は、豊後っていうだけに大分県の県花だそうで、八重咲きで大輪の花がきれいなんですって。お花は見たことないの。

今年、エバジャムで煮ることが出来たのは3品種、白加賀梅、十郎梅、そしてエバジャム的幻の品種、豊後梅ね。
さて、突然ですが問題です。梅と杏の植物学的分類はなんでしょう!?

そう、バラ科なの。
バラ科の果物なんて、ステキじゃなぁい?
そんなにバラが好きじゃなくっても、バラに、お花に属するって考えるとなんだかステキよ〜。
だって、じゃあウリ科(ex.スイカ)とかミソハギ科(ex.ザクロ)とかブドウ科(ex.ブドウ)とかって、あんまり気分が上がらないわ。

しかも梅と杏は細かくいうとバラ科アンズ属なんですって。
良いわ〜。
バラで、杏だなんて。
ワタシが果物になるんなら、バラ科でアンズ属とかバラ科キイチゴ属(ラズベリー)とかバラ科リンゴ属とかがいいわ。

あ、すごいわね。
果物の分類を見ると、けっこうな数の果物がバラ科なのね。
なっとくは、それぞれ花のカタチを思い浮かべてみるとどの果物の花も野生種(一重)のバラのカタチによく似ていることよ。
梅もイチゴもリンゴも梨も、思い出してみると、みんな花のカタチがそっくりね。
だからって訳じゃないけど、バラは野生種の一重のが好きだわ。可憐で、シンプルな形には潔さも感じます。

あ、話しがそれちゃった。
さて、そろそろ梅の季節が終わりつつあります。
みなさんは、今年の梅でなにか作りました?
エバジャムの梅ジャムは、未成熟の青いのを煮た白加賀梅のジャム、ぽってり熟した品のあるスッパさの十郎梅ジャム、そして杏との中間品種の豊後梅と本家の杏をミックスした先祖返り(?)ジャムの3種類。
白加賀梅のジャムは終わっちゃったけど、十郎梅のジャムは工房販売に並んでますからね。
豊後梅と杏のミックスジャムはこれから工房に並ぶんだけど、ジェラートになって7/20(土)から食べられますから、気になる方はぜひお試しあ〜れ!








夏ミカンの国へ!

こんにちは、エバです!
また、お久しぶりでございます!

えっと、いつまでも暑いものだから、季節の移り変わりなんて言葉を忘れそうになっていましたけどぷわんと香る金木犀の香りが秋の訪れを気付かせてくれましたね。

エバジャムはといえば夏を命からがら乗り切って、いまは実りの秋を乗り切ることに精一杯でございます。
秋の実りビッグウェイブがどんなかって言うとねえ。
夏の終わり、秋の気配を感じる頃に登場するプラムはその名も秋姫。これは桃と杏とプラムを足したような味わいで初めて食べたの。おいしいの。
それからイチジク。みんな大好きイチジクジャムですもの、はずせません。
それからぶどうね。久しぶりに煮たゴルビーって珍しい品種から始まって、ピオーネと、タネ取りが過酷なべリーAのすでに3品種。これからまだ何品種か来るの。
以上をカメラを向ける暇もなく次から次へと煮てったわ。写真を撮る間も惜しんだって言ったら忙しがりすぎかしら。毎日が残業なのよ。

果物の収穫時期はワタシにはコントロールできないからね、農家さんが送るわよ〜と言ったらそれに従うしかないの。
なあんて、この忙しい実りの季節に旅行の計画をたてて、さらに忙しい状態に追い込んだのは他ならぬ自分なのよねえ。テヘッ!

そう、10月の半ばに山口県に行ってきたんです。
友人が住んでいてずっと誘われていたのと、夏ミカンの国、萩にも行ってみたいと思ったの。
加えて温泉もあれば言うことなしよっと、調べてみると山口は温泉天国でした。まあねえ、日本が温泉天国ですもん、当たり前にどこへ行っても温泉には出会えますね。
それでも場所によってお湯は全然違うもん、どんなお湯に入れるかしら〜。リサーチ、リサーチ。
やっぱり温泉宿に泊たいわ。宿に温泉があれば1日3〜4回は温泉に入れるでしょう。

宿の選び方って人によって様々でなのしょうねえ。
ワタシは源泉掛け流しにまずこだわるわ。
次に食事ね。おいしいのが良いけど、食べきれない量を並べられたらプレッシャーに耐えられないわ。贅沢じゃなくていいからちゃんとしたものを食べきれるだけのが嬉しいの。
そして萩は三方を海に囲まれる山口の日本海側だもの、オーシャンビューのお部屋にもこだわったの。海が見られたら、波の音が聞けるなら、いつでもご機嫌だわ。

お湯が良さそうなこととオーシャンビューの宿、そして値段が安いということで選んだのが「萩の浜」ってホテルでね。
なんてったってオーシャンビューだから気分は上々だけど、リーズナブルなホテルだからお部屋の様子はどうってことないのよ。
食事の方もなんてことないものだろうと期待はしてなかったの。

さて夕食のテーブルにならぶのは煮物に焼き物、揚げ物にお刺身でさすがに日本海を目の前にしてるだけあってお魚がふんだんに使われてますね。
順々にお料理をつついていって、お、ど、ろ、き!なんてお刺身のおいしかったこと!
ワタシ、お刺身ってほとんど美味しいと思ったことがないの。だからほとんど食べないんだけども。
お刺身をウリにしているちょっとした居酒屋に行っても一緒の人が頼みたいならどうぞ、と消極的よ。
だからいつものように疑いの目つきで並んでいる白身尽くしのお刺身をちょいちょいつついてみると、なに!?なんですか?この歯ごたえは!このあま〜い味わいは!
スズキにヒラメに、タイだったかしら〜。
たまにしか食べないお刺身だけど普段食べる物とは格段に違ったの。
小さな漁港が点在しているのを翌日の沿岸ドライブで見て、納得したわ。
とにかく漁場が近いのね。だから新鮮。新鮮は美味しいってことですね。

そしてもうひとつ、選んだ「萩の宿」は温泉がかなり良かったの。
ここは自家源泉だそうで、探した海辺の宿には自家源泉をうたった宿は「萩の浜」だけだったので、それが宿決定の決め手になったのよ。

どんなお湯だったかっていうと、初めてあじわう塩っぱさだったのよ。
無色透明のお湯がボコボコと泡立つジャグジーに入ってみて、びっくり。蒸気に含まれる塩分でむせるくらいだったからよ。
なにこのお湯〜とペロリとしてみてその塩っぱさに驚いたの。
海辺の温泉だものそりゃ塩分を含んでるだろうけど、経験のない塩風呂だったわ。
あの塩温泉で丸ごと1本のキュウリを漬けてみたら、けっこう美味しく漬けられるんじゃないかしら。温泉漬けキュウリ、イケルと思うわ〜。

この塩温泉は、山口旅行の間に入ったほか2つの温泉よりずーっと温泉の”効き”を感じたの。
「萩の浜」はたいした宿じゃないけど(失礼!)お湯の良さはピカ一よ。

おっと、期待していなかっただけにお刺身とお湯の良さでけっこう気に入った「萩の宿」のことばかり話してるわ。
むしろ、萩は夏みかんの国ってことでジャム屋的な収穫を期待したいところよねえ。


そう、萩は夏みかんの国ですもの、材料となる夏みかん入手ルートが作れるかも?なあんてつもりもあった旅なのです。
が、10月は夏みかんの時期ではないもんね。道の駅に行ったって実が並んでいるわけでもなく、そうなると農家さんにあたる確率もグッと低いわけで、今回は材料ゲットとはならなかったの。
残念だったけど、休暇として十分楽しんだわ。

それでも行く先々の夏みかんアイテムはチェックしたわ〜。
食べられるのから食べられないのまでね。


まずは萩に到着して一番に訪れた光國本店は夏みかんの缶詰マーマレードと夏みかんの砂糖菓子のみを、しかも本店の1店舗のみで販売する老舗です。
こじんまりと、そして清潔感あるお店の横にはお店の何倍もある工房がひかえてました。工房には入れてもらえなかったけど、工房脇にならぶ青切りの夏みかんをチラ見〜。
この青切り夏みかんも皮が砂糖煮になるの。



レンタル自転車で街をぶらぶらしていると、柑橘類の加工品を製造販売するお店の壁には夏みかんのタイル画が。



そして城下町の散歩で寄った木戸孝允旧宅にも美しい夏みかんの木が植わっていたわ。
萩の城下町は日本海からの海風がつねに吹いて、とても気持ちいい街ね。



日本海というとつい東北の、ドッパーーンと岩に打ち付ける波、黒い海ってイメージだったけど山口の日本海はそんなじゃなかったわ。お天気だったせいか水は真っ青で波は真っ白。砂浜はサンドベージュか白い色で、とても明るい海だったの。吹いてくる風もすがすがしいわ。
今度は瀬戸内側の山口も覗いてみたいわ。
次はちゃんと夏みかんの時期にあてなくちゃね。












ペースは崩れません。

今年の夏はいままでの夏と違っていたわ。
東京では7月に入るや真夏日を連日マークし続けているの。もう、ずぅ〜っと暑いですよねえ。
ワタシのことだと、なんてったって工房販売が始まってぜんぜん違う夏だったわ。
スタートの早い夏のせいか、ドタバタの工房での日々のせいか、果物の仕入れ時期を読み間違えちゃったりして。

太陽って品種のプラムを煮るようになって今年で3回目の夏なのかしら、今年はなかなか収穫の知らせがこなくって焦っていたの。いつもならすぐに農家さんから連絡が入るのに、今年はなんだか遅い気がしてワタシの方から電話をしてみたわ。
返事は「お盆あけだよ〜〜!」ってことでがっかりしたわ。そのとき煮る果物がなかったからよ。
神奈川からのブルーベリーや、山梨の桃と夏のリンゴとプラムが届いたから作業は出来たのだけど、それらの果物を煮終わっても太陽は届かなかったの。
内心はなによう、どうなってんのよう、夏が終わっちゃうじゃない。プラムの季節が終わっちゃうじゃない。もしかしたら忘れられちゃったのかしら!?
疑いの気持ちがわいた頃にやっと連絡がきて、そのときはホッとしたわ〜。

農家さんへの注文で一度に送ってもらう量は13kgと決めてるの。13kgはハンパな量に思われるでしょうけど、これが多すぎず少なすぎずっていう量なのよ、いままでの経験から。
本当は、プラムのジャムは人気があるから13kgを何度か送ってもらいたいところなの。
キウイや柑橘類なら貯蔵がきくから毎週ごとに13kgを送ってもらって仕込んでいくって流れを作りやすいのだけど、プラムはそうはいかないみたいなのね。

プラム収穫の電話をもらったときに、いつものように13kgをお願いしてすぐに、もう13kgを頼もうかどうしようか電話口で悩んだのよ。
農家さんの反応はプラムが貯蔵のきくタイプでないし、夏はどうしても果物の傷みが早いものだから早く決めてよう〜ってことだったわ。
木からもいだプラムは、農家さんは一時に出荷してしまいたいんでしょうね。
優柔不断なものでその場で決めきれず、届いたプラムを見てから注文させてと電話をきったのね。

数日後の午前中に届いたきれいな赤いプラムを見たら、やっぱりもう13kg頼まなくっちゃ!って気分になったのよね、結局。
だからすぐに農家さんに電話を入れてみても、あらら〜つながらないわ。次のプラムの出荷はかなわないかしら…と自分の思いきりの無さに落ち込んじゃう。






ところが、ところがですよ、午前中に荷物を届けてくれたのと同じ運ちゃんが、午後、また段ボールを持ってきてくれたの。
開けてみると、またも真っ赤なプラムが。
ワタシは第2弾の注文をした覚えはないんだけど…、はは〜〜ん、こちらの返事を待たずに農家さんたら見切り発車したようね。
結果的にはワタシは助かったわけだけど、すごくなぁい?その農家さんたら。頼んでないプラムを送っちゃって断られたらショックでしょう?
どっちにしろ断らないけどね、ワタシは。それを見越してるとこがニクいやらおかしいやら。

山形の農家のアベさんとは、そんな感じのお付き合いなのよね。
第2段が届いたあとにアベさんから電話がきたから、「頼むつもりだったけど、まだ頼んでなかったのに届いてますよ〜!」ってからかってみてもアベさんはどこ吹く風だったわ。






届いたプラムを前にして、いざ煮な〜ん!と去年のレシピを読み返してみれば、なんと届いた時季にほとんど差はないの。
スタートの早かった夏の暑さと自分の生活リズムの変化に翻弄されただけで、プラムは時季を変わらず熟してたってことよ。
健気よね〜。

たくさん届いたプラムはジャムにしたしジェラートにもしたわ。
たっぷりある安心で、今年は始めて干してみているの。干しプラムを、毎週焼いて工房で販売するマフィンに焼き込むことができたら楽しそうね。
プラムを干し始めた週末から大雨が降ったけど、ちゃんとセミドライくらいになってくれたらいいわ。

山形産プラムの品種は太陽といいます。皮は真っ赤になるけど果肉は黄色いの。
放射能検査済みの不検出品とのことです。
ドライ太陽が成功したあかつきにはマフィンに焼き込まれてるはずだから、お楽しみに!







 

ジャムの王様はブルーベリージャム!

ジャムのプリンセスったらイチゴジャムですよね。
みんな大好きイチゴジャム、ですもん。赤い色もラヴリー♡
じゃあさ、キングは?
何?何のジャムかしら?

ワタシはこの夏、やっと仕入れたブラックパールを手の平にすくいあげながら思ったわ。
ジャムの王様はこのブラックパールに間違いないってね。
もうブラックパールがなんの果実をさしてるのかお分かりですよね?
そう、ブルーベリーですよ。
 




ブルーベリーって高いですよね。
小さなプラパックにたぶん150gくらい入りなのかしら、それで300円前後でしょうか、スーパーで。自分のためにパックになってるのを買うことってないからイマイチよく分からないんだけど…。この計算でいくと1kgあたりは2千円くらいになっちゃうわ。

世田谷に住んでいた6年ほど前には、ブルーベリー農園に早朝出掛けてって自分で摘んでたの。それで午前中に採れる量は2kg弱だったわ。
通っていた農園では小さなバケツを渡されて、そのバケツに摘みたい放題だったから、バケツに誰よりも高く多く摘み上げたものよ。それで2kg弱ね。
家族やお友だち連れでおしゃべりしながら楽しそうに摘み歩いてる人たちを尻目に、9時に始めてたってすでに陽射しはジリジリとやいてくるから、汗を流しながらもくもくと、ね。
これをシーズン中に3〜4回やって瓶詰めしていたの。

手摘みの分、スーパーで買うのとはかなりお値段は違ったのだけど、自力摘取りで煮なくなって久しいわ。世田谷区から引っ越したこともあるし、かなり時間がかかって大変な作業だったんだもの。

それでもブルーベリージャムは作らなきゃいけないのよね。
だってお客さんに「ブルーベリージャムはないの?」って聞かれるんだもの。さすが王様ですね。
お客さんに欲しいって言われたら作る努力はしなくっちゃいけないわ。と、今年は神奈川の農家さんから買うことにしました。ちゃんと放射能の測定済みの、不検出品です。

やっぱりブルーベリーは高価ですね。
でもね、農家さんが腰を曲げてひと粒ひと粒を摘取ることを想像すると、それはもう仕方がないことよ!
流水で洗いながら指先からこぼれ落ちるブラックパールを見つめて、夏の朝のあの作業を思い起こすワタシには「うむ…」とうなずくしかないの。
あ〜あ、好きなだけブルーベリーを煮てみたいものよ〜。
外国産のブルーベリージャムって、どうしてあんなに大きな瓶詰めなのかしら?
あんだけの瓶をいっぱいに出来るほどたくさんのブルーベリーをどうやって摘むのかしら?
広大な農地で小さな実をじゃんじゃん摘めるマシンがあるのかしら?
それともものすごく安い労働力があるのかしら?
あ…、素朴な疑問がなんだかイヤな方向へ勘ぐっていっちゃいそうだから、このへんで止めといた方が良いわね。

話しを変えて、いまは国産のレモンが無い時季なんです。
ジャムつくりにレモンは欠かせないものなのに、どこへ行っても無いの。もしくは青く固い未熟なものが旬の時季と比べると3倍以上の値段なんですね。
そんなものは使えないわ〜と探しあてたのが高知産の酢ミカン。
酢ミカンだなんてなんておおざっぱな名前なんでしょう。さすが、南国のおおらかなイメージをはずさないネーミングよねえ。
その酢ミカンの果汁と、ブルーベリージャムには必ず加えるレモンの皮をあわせて煮たら、いい感じ。





それから、残った皮は冷凍してとっておくのよ。
レモンの皮も冷凍保存で使う都度にスライスして使うの。柑橘類の皮の風味って、それぞれ個性的で使わない手はないの。

酢ミカンの酸味とレモンピールが効いたジャムのキング、ブルーベリージャムは現在エバジャム工房にて販売中でございます。
エバジャムには珍しく甘さを控えめに煮てみたわ。







あまおうでイチゴジャム




高田渡「値上げ」です。
もうね、この歌が頭の中をここしばらくグルグル回ってるの。
あ、消費税のことじゃないなくってね。そりゃ消費税10%アップは困るんだけど。
先週もぼやきましたが、イチゴのことを思うとついね…。

4月も半ばに入ってくるとちょっとずつ値が下がってきたのだけど、やっぱりまだ例年よりお高い、イチゴ。
今日もぼやくわよ。イチゴ〜。

普段は3月から煮はじめるイチゴがいつも通りとはいかないんです。
それでも、いつもとは違っていても、良い感じのものが見つかるんだから捨てたものでもないのよね。






今のとこ、今年のイチゴジャムは主にあまおうって品種のイチゴで煮ているの。
あまおうってイチゴはご存知かしら?
2001年に品種登録されたという比較的新しい品種のあまおうは、初めて味わってからワタシの中ではアイドル的な存在になってるの。
「甘い、丸い、大きい、うまい」の頭文字から名付けられたという名前に恥じず、糖度も高く適度な酸味とのバランスも良くて、すごく好みなの。
だいたい新種の果物は甘いことばかりにフォーカスされるものだけど、あまおうはちょっと違ってたわ。ちゃんと酸味があるのね。それだから、甘みも活きてくるってわけ。
甘酸のバランスが良いと思うのよ。

あまおうはサイズの大きさもウリなのね。
ワタシのイチゴ考では小さいイチゴこそイチゴらしいおいしさがあるってもの。キレイに1段に並べられた大きいイチゴをおいしいと感じたことがないわよ。
そりゃ個人差はあるでしょうけど、ワタシはそうなの。
小粒なイチゴには甘みと酸味の両方が備わってるって感じるの。
ところがおまおうは大きいのにキュウッとしたイチゴらしさがあるのよね。初めて食べたころは果物好きの友人と話題になったものだわ。

そんな大きいことをウリにしていたあまおうに異変があったんです、今年は。
なんと、かわいい小粒が市場に出現しているの。
おまおうの名前の由来からは外れるんだけど、小さいあまおうはちゃんとおいしいのよ。
いままで流通にのせられなかった小粒が出回るようになったのかしら?
イチゴ高騰のせいで出さざるを得ないのかしら?
いまの時点で今年のイチゴの底値が小粒のあまおうってことなら、それならイチゴ全体の高値もまんざら悪くもないわ。
憧れのあまおうでジャムが煮れるんだもの、こんなに嬉しいことないもの。
逆境にも良いことはあるんですね。

この状況が来年もまた同じかどうかは分かんないけど、なにかあっても、またきっとどっかに道を見つけないとやってらんないわね。

あ、それで渡さんの「値上げ」です。
そう、エバジャムのイチゴジャムの値段は去年まで700円だったのを800円に値上げします。
毎年楽しみにして下さってるお客さんには申し訳ないんだけど、値上げ敢行です。
ご購入の際にはご注意くださいませ!






明るいオレンジ色に紅い色にハッ!とさせられちゃう。
キウイをミックスしたイチゴジャムに続き、お次に一緒に煮るのはデコポンの皮ね。
デコポン皮をたっぷり加えるたイチゴジャムはエバジャムの人気ジャムよ。
かさ増しのためのデコポンじゃないんだから。もともとあったお気に入りのレシピよ。


イチゴ困ってます。

困った、困ったわ。
今年はホントに困っているの。

あ…、その前にまた更新が遅れてごめんなさい。
最近はエバジャムのフル〜ツデイズに更新日の締切りがないかのようですが、ちゃんと金曜日だってことは意識してるんです。
気をつけます。

それで何に困っているかと言うと、イチゴの値段がなかなか下がらないからよ。
前の記録を見てみるとイチゴジャムの仕込みのピークは3月いっぱいで、4月の下旬で仕込み納め。合計5回戦で5〜60kgはジャムにしているみたい。
書いてみてビックリしたわ。そんなに作ってたの!?
そりゃイチゴジャムはクイーン・オブ・ジャムですもんね。
み〜んな大好き、イチゴジャム。
みなさんはいかがです?イチゴジャムはお好き?






ワタシはといえば、そりゃ好きには好きだけど、どっちかっていうとマーマレードのが憧れがあったわ。あとはベリーはベリーでもラズベリーとかブルーベリーなんかのがありがた味を感じるし。
イチゴって普通。当たり前のジャムだわ。
ところがジャム屋になってみると、季節になればお客さんからイチゴジャムを求めて声をかけられて、その人数の多さに驚いてるの。
年齢層も幅が広いのよ。
子供たちは味もさることながらあの色にもグッとくるらしく「紅い色こそがジャムだと思ってるみたい。」なんて言ってたお母さんもいたし、年配のお客さんは「私達くらいの年代はイチゴジャムしかしらないの!」なんて冗談めかして言ってらしたしね。

だから今年も3月に入ってからは販売場所ごとに何人もの方に声をかけられていて、その度にイチゴ高騰で仕入れどきを待っているって伝えるの。高騰は今シーズンの寒冬のせいだってきいてるけど。とにかくどんなジャムよりも声がかかるのだから、プレッシャーを感じちゃうわあ。
イチゴジャムのないジャム屋なんてジャム屋と言えないわよね。






そして、数日前にやっと仕入れが叶ったイチゴは佐賀県産の「さがほのか」です。
「とちおとめ」を好んで煮てたんだけど、思うところあって品種を変えたの。
ずうっとジャムにするなら「とちおとめ」と考えてきたし、これからも変わらないと思うのだけどね。

品種を変えてみても、煮ている時に漂う甘酸っぱい香りはやっぱり同じよ。キューンとした香りをかぐだけでもツバが出てほっぺに酸味を感じるの。
実際には酸味の少なさを感じるけど、レモンで補えばいつものイチゴジャムに近づくわ。
シロップのキレイな紅い色だって同じ。紅い色って、見てると気分が上がるわよね!あ、この紅い高揚感に子供も大人も反応しちゃうのかも?つい手が伸びるのもしょうがないわね。
香り、味わい、見た目と、これがクイーン・オブ・ジャムたる所以でしょうか。

ところでこの「さがほのか」を見つけたのは週末に開いていたお早よう市1日目を終えての帰り道だったのね。2日目を控えた土曜の午後はまだ仕込みをしなくちゃならなくて、この日は日曜日分のケーキを仕込むんだもの、ちょっと考え込んじゃったわ。

お早よう市をご存じない方の為にちょっと説明しとくけど、お早よう市ってのは吉祥寺のQUEEN's HOTEL antiquesで偶数月の第2土日、am8時〜pm12時に開かれる朝市のことね。
そう、朝市なんです。翌朝のことを考えると仕込みがあんまり夜遅くまでかかるのはいけないわ、とか時間の配分を考えたりして。それに4月のお早よう市のあとはお花見するのが毎年のことだから、お花見用に竹の子も煮たいの!菜の花のおひたしももって来たいの!とかね、あるんです。

そんな土曜日の午後にどれだけのイチゴを煮れるかしら?きび砂糖の在庫はどれだけあったかしら?うーーん、うーーーん…。
だけどこの機会を逃すなんてまず出来ないのよ。そのくらい今年のイチゴ事情は厳しいんだから。
諸々考慮してついに決断したのは合計5kgの購入でした。
たった5kg!毎年5〜60kg煮ていることを考えるとまだ10分の1だけど、それでも気持ちは良かったわ〜。ちゃんとケーキも焼けたし、竹の子も菜の花のノルマまでこなせたしね。

翌日日曜日のお早よう市は満開だった桜にお客さんを取られちゃったのか土曜日ほどのにぎわいはなかったけど、ケーキは完売したし、市を終えた後のお花見でみんなと食べた竹の子も菜の花も喜んでもらえたし、結果はオーライ。
決めていた予定の中へ急にイチゴジャムの仕込みを入れてみたけど、まずまずこなせたのだから。






イチゴのスタートを切れたのはひとまずの安心ね。
だけどこれからどうしようかしら〜。あんまり悩んでもワタシの力じゃどうしようも出来ないことではあるみたい。だけど、ちょっとは頭を使わなくっちゃね。無い知恵をしぼったら、どこかへ道は開けるかも知れないわ…と少しの希望と楽観をもちながらも、まだまだ続くイチゴ問題よ。
イチゴ〜!イチゴ〜!

今回は佐賀県の「さがほのか」を煮たのだけど、安くて良いのを見つけられたら福岡の「あまおう」なんかも煮てみたいわ〜。西日本や九州あたりが産地の「とよのか」も気になるし。
「とちおとめ」一辺倒だったけど見渡してみるとイチゴにもいろんな種類があって、それぞれに特徴があるのよね。人気種におされて生産量が減っている品種もあるなんて聞くと、またそっちも気になってくるんだわ。
 

レモン

ふっう〜!
今さっき高知の農家さんへ電話してショウガ10kgを注文しちゃったわ。
前回はお試しってことで5kgを頼んだんだけど、その5kgを3回戦にわけてふうふう言いながら仕込んでったのよ。どんな材料だって5kgなんか1回戦の仕込みにも満たないわ。思いの外ショウガ5kgは手強かったんですね。
それを10kgも頼んじゃった!頼んじゃったからには届いちゃうんだから、ちゃんと使わないといけないわ〜。当たり前だけど。
おもわず10kg注文に至ったのは、まだ販売していないショウガのチャイ風ジャムにすでに反応があったからなの。ショウガジャムを待ってくれるお客さんがもういるのよ。エバジャムでは初の販売だもんね。
ピリピリ辛いスパイシージャムは意外とイケテルのかも!?そそられちゃう?未知のジャムへのお客さんの反応に気を良くして、つい10kgの追加注文しちゃったの。
電話を切ってから「あわわ…。10kgやるんだわ。やるっきゃないんだわ。」とあらためて気を引き締めてます。ぐぐぐ!

ショウガを送って下さるのは声の感じからはおばあちゃん農家さんのよう。
ショウガは日曜日の発送になるんですって。日曜日の発送にしたいのは、毎週日曜市に出ているからその流れで一緒に発送を片付けたいからなんですって。ほかの日は畑だからって。

今の時季は古根ショウガだけど、10〜11月になったら新ショウガになるのよ。新ショウガもジャムにしたいわ〜。秋が楽しみよねえ。






と、今日はショウガの話しをしようと思ったのではないのに。
最近はずっと熊本のみかん山から届く甘夏をマーマレードにしていてね、1種類は定番のウイスキー入りの甘夏マーマレードにしたの。
材料はまだまだあるわ。もう1種類を、レモンをたくさん加えた爽やかバージョンのマーマレードしたくてレモンを手にしたわ。

皮をむこうとレモンを手にするとね、まじまじと見つめられて。
レモンは皮をむきやすいように軽く湯通ししてあるんだけど、湯通しするとピッカリ、ツヤツヤと鮮やかな黄色がもう美しくってねえ。おまけに良い香りもたってるのよ。
ああ〜、レモンよ、なんて可愛いのかしら…。ポヤ〜ン。

たまにラベル貼りを手伝いに寄ってくれる母から、いつでも果物の良い香りに包まれていていいわねえ〜って言われてからは特に果物の香りを強く感じるようになったわね。なかなかフルーツアロマも良いものなの。

で、レモンです。
エバジャムではレモンは常備です。夏の端境期をのぞいては。
国産果物を使うというマイ・ルールに、20年も前だったらレモンに関してはかなり苦労したんじゃないかと思うと、この頃では国産レモンが簡単に手に入るようになって本当にありがたいものだと思われます。レモンを手にとって、何度も何度も思われることです。

レモンを常備しているっていうのは、ほとんどのジャムに使うからなの。
火を入れたり砂糖の甘さに負けてよわくなってしまった果物の酸味を補うため。
それから最近勉強し直してあらためて知ったことは、レモンの酸を加えることで果物が持つペクチンの働きを活性させるためにも必要なの。
ペクチンはドロンと固まる力のことね。念のため。
ペクチン活性のためのレモンの力は、こないだリンゴ(フジ)の種や皮から抽出したペクチンに加えてみて実験済みよ。化学でしょ。
ついでに言っとくとこのリンゴ由来のペクチンはショウガジャムのトロみつけに使っているの。
あ、なんだかすごく自慢したい気分よ。ワタシだっていつも体力仕事ばかりじゃないんだから。たまには化学もあるのよ。

えっと、化学だなんて自慢したけど、これまでずっとレモンを使うのは味のバランスをとるためだったわけですけど。その点だけに注目したって、やっぱりレモンてなくてはならない存在よ。
それに果汁も皮も、白いパルプでさえ貴重な材料になるんだもの。捨てるところはタネとヘタくらいしかないわ。
あまり主役になることはないけど、ジャムには欠かせないの。
ううむ、この存在感…、何かに似ている。

あ!玉ねぎ!
レモンて玉ねぎみたいな存在じゃないかしら?
玉ねぎもあんまり主役にはならないけど、玉ねぎの入らない洋食メニュなんて考えられないわよね?ハンバーグもカレーも、シチュウもスープも。
玉ねぎから出る出汁って、効きますもんねえ。前には出てこないけど縁の下の力持ち的にぜえ〜ったい必要ですよね?
サラダやワカモレの生のスライスは良いアクセントだし、臭み消しにもなりますよねえ。









一番好きなものなあに?ゴッコで、ニヒル牛マガジン月曜日担当の亜古さんは野菜編だと玉ねぎなんですって。それを聞いたときはなんて地味んなざましょ〜とシラケたものだけど、いまやレモンと並んだ玉ねぎに見方が変わるってものだわあ。
そりゃ玉ねぎのすごさは分かってますけどう、”一番好き”の冠までは、ねえ?
間髪入れずに「ジャガイモ!」って答える火曜日のアル君にもそうなの〜!?って突っ込んじゃうのだけど。
え?ワタシは、ですって?
四季折々に好きなモノがあって優劣つけられないわ〜という優柔不断さであります。とくに果物に関しては、どの果物が聞いているかも分からないもの、エコヒイキは出来ないわよ。
そんな果物の中でもレモンの存在は特別なの。
甘夏のマーマレードにレモンの果汁も皮もパルプも使いながら、今回はその特別感をしみじみ感じる仕込みになったわ。

レモン入りの甘夏マーマレードは、甘夏だけのマーマレードより黄色の分だけ色が明るく仕上がって、やっとこさ盛上がって来た春の気分にちょうど良いのよね。






 

ジャムにも色々ありまして

ひっきりなしに果物を煮てるはずなんだけど、季節によっては端境期(作物が出回らない時期のことね。)だとか、他の理由もあって果物の入荷がないときがあるのね。そんなとき今までは少し焦ったりすることもあるけど、だいたいは漫然と果物が届くのを待っていたわ。
ずいぶんのんびりしてたものよね。でもさ、それじゃあがったりだもんね。
今さら気付いたわけでもないんだけど。

それで、ヨシ!と手始めにとってみたのはずっと扱ってみたかったショウガよ。ショウガジャムを作ってみたかったの。
いつでもショウガは話題だけど、最近とくに流行ってみたいですよね、ショウガ。
省エネで、体を温めるために根菜やショウガをとりましょうだなんてこの冬はテレビなんかでもよく聞いた気がするわ。

もともとショウガが大好きよ。
ショウガと言えばどんなメニュを思い浮かべます?
冷や奴に?うどんに?豚のショウガ焼き?鶏の唐揚げにはショウガとニンニクよ。
ココアに入れて飲むのも好きだわ。あ、こどもの頃は片栗粉とショウガとお砂糖を熱湯でねった葛湯もどきを風邪ひくと飲んだものよ。
ショウガメニュはいくらでも出てくるわねえ。
でもね、いろいろあってもワタシにとってショウガと言えばチャイだわ。ショウガがきいたチャイって大好きよ。






さて、エバジャムで使うショウガは高知県から届いたもの。今どき届くのは去年の秋口に採れたひねしょうがで、辛みが強めなんです。
ショウガってスーパーで売っているものは握りこぶし大くらいに小分けされてますよね。届いた段ボールを開けてみて驚いたのはこぶし大が何個も連なって20〜30センチでひと塊だったの。ムキムキとこぶが連なった塊を掘り出すの、どうやってやっているのかしら?大変そうだわ。

去年の秋口のひねショウガは皮が厚くかたいからジャムにすると舌触りが良くなさそうでしょ。だから皮をこそげ落とすことにしたの。
ショウガジャムで一番しんどかったのはこの皮こそげ落としだったわ〜。

ふだんショウガを使う時に皮をむくことなんてほとんどないのにね。だってショウガは皮に薬効があるって聞いてるもの。薬味に使うなら多少の皮があたったって気にならないし皮ごとすりおろしてるわ。
それがジャムとなったら、それじゃマズいわよ。
おいしい食パンにバターを溶かしてジャムをたっぷり…て時にブチブチとかたい皮があたったらがっかり。でしょう?






そこで取り出すのは通称ベトナムスプーン。
ベトナム土産でいただいた柄の長〜い、薄い素材のスプーン。これが最適。
薄い作りのベトナム製だからか、型から抜いただけで縁の処理があまく、尖っているの。その尖った縁をショウガの肌にあててこすると、カンナを使ったみたいにかたい皮がシュリッとこそげるのよ。
ベトナムスプーンがなくっても普通のスプーンでこうやってショウガの皮を削るのって良いんじゃないかしら。ホントに皮だけがシュリッとはげるから実と栄養を無駄にしない気がするもの。

それでこの皮こそぎ、1コや2コなら楽しい作業なのよ。でもね2kgもやると腱鞘炎に一歩手前状態。だから1回の仕込みに2kgずつくらいという、いつもの仕込みでは考えられないくらいちょびっとペースなの。
あ、なんだか苦労自慢よね。
下処理に費やす時間のが火を入れる時間より長いのは、毎度のことなんだけどう。

皮をむいたらつぎは薄くスライスしてさらして、アクと強い辛みを適度に抜くの。そこまで終わったら、さあ!いざ煮なん!
どんな風に煮るかってえとショウガと言えばチャイなんだもん、カルダモン、シナモン、クローヴのスパイス3種でチャイ風にしようかしら。

それでね、今回ショウガジャムを作るって公言してみたら、親切な方がお土産かなにかでいただいたらしいショウガジャムをくださったのね。
もちろんさっそく試してみたわよ。
食べてみたそのショウガジャムはあんまりピンとこなかったわ〜。せっかくのひと瓶なのに残念だった。ワタシにはショウガ過ぎると言うか、和風ジャムみたいに感じられちゃって。

ユズのマーマレードのときも思ったことだけど、ユズとかショウガにあるザ・日本な顔はちょっと矯正したいわ。ヨーグルトやバタートーストって洋風のものと食べるからよ。
だからスパイスをミックスして、洋風じゃないけど外国の顔に変えてみたいの。その方がバターと合いそうじゃないですか?






ということで出来上がったチャイ風スパイスミックスのショウガジャムが瓶詰めを待ってるわよ。
定番のトマトジャムが果物じゃないジャムの1番手だとするとショウガジャムは果物じゃないジャム2番手となるわね。
おっくうで手を出さなかった果物じゃないジャムシリーズを、今年からはあんなのやこんな野菜で作っていこうと思っていてね、フル〜ツデイズじゃないデイズが増えることになる予定よ。




                                                                                                                             

捨てちゃう部分

エバジャムのジャム作りの中で自負することのひとつに「素材をむだなく使う」ってことがあるの。
洋梨の皮と芯とタネは捨てちゃって果肉しか使わないけど、桃は品種によって、数種類煮るブドウは全品種、あとは紅玉(リンゴ)も皮ごと煮るわ。芯やタネは捨てちゃうことが多いけど、紅玉のタネはタネ酒(すばらしい香り!)に使うから最終的に捨てちゃうとしても、なんかね、使い切ったって感じよ。
カリンはエキスの抽出を終えた皮から果肉から芯をみんな捨てちゃう。それでもかたくてそのままでは食べられないものをなんとか工夫して食べてるって、使い切ってる感があるじゃない。レシピを残してくれた昔の人はありがたいわ。
あ、カリンのタネのタネ酒は紅玉タネ酒よりも香り高いのよ。タネ酒はジャムの香り付けに使うの。

こうやって素材の隅々まで使い切ってる時ってとっても悦に入っちゃう。
それがね、そんなワタシにとってデコポンは悩みのタネなの。
デコポンていったら「いまウチにデコポンが20kgあるのよ〜」って話せばみんながうらやむおいしいおミカンよ。それなのに皮を使い切れないの。

イヨカンなんかはね、皮に渋みや苦みはあるもののちゃんといい香りと甘みがあるんだから。試しにかじってみるといいわ。
それがデコポンときたら渋みどころか辛いくらいでもちろん苦みも強いの。ミカンの香りもあるけどまた違った匂いもあるし。






気付いたのは、柑橘類の皮の味わいは果肉の味に比例するみたいってこと。
イヨカンはわりと柔らか味だから皮の味も柔らか。
レモンやライムには強い酸味があるからか皮も独特の味わいね。
他で買ったり、いただいたデコポンの皮まで味見したことは無いけど、熊本のみかん山から届くエバジャムのデコポンは、シーズン最初のひと口目はゾクッと鳥肌が立つほど強い酸味と甘みに交互に襲われる衝撃。だからじゃないかと思うのよね、あのデコ皮の強烈は。
果肉の味と皮の味の比例よ。

だからね、果実だけを煮詰めたデコポンジャムにして皮は捨てちゃってたの、全部。
おフロに入れても、成分がビリビリお肌に突き刺さって痛いくらいだから入浴剤にも使えなかったんだもの。

それでも自称「素材をむだ無く使う」派の名がすたるってもんですから、2年前あたりから工夫はし始めたのね。
1年目は皮のアク抜きがあまくて、せっかく砂糖煮にしたもののジャムとしては使えなかったわ。砂糖煮はお菓子に焼き込んだりして、それはそれでなんとか形にはなったし結果的にレパートリーを増やせたけど、思うようにいったわけじゃなかったわ。
2年目の皮の砂糖煮は、他のジャムに少し混ぜてみたらアクセントになっているとお客さんからほめられたりして。それでもねえ、思うようではないわ。

デコポン皮とはそんな感じのつきあい方でお茶を濁してくつもりだったけど、こないだ熊本へ行った友人の土産話しでデコポンのピール(砂糖煮)がおいしくっていくらでも食べられたって聞いてから気になっちゃって、デコポンピールに挑戦することにしたわ。
その決心は先週のフル〜ツデイズにも書いてますね。

デコポンピールの1回目の練習はちっともきれいに出来なかったけど、アク抜きはきちんとできていたし、味はまずまずだったの。細かく刻んでやっぱりお菓子に焼きこんでおいしかったわ。
2回目はまだアク抜きの段階で、今度は形よく仕上げたいの。






捨てちゃう部分のもうひとつは、フジ(リンゴ)の皮ね。
紅玉は皮ごと煮ても、柔らかく皮が煮くずれてくれるし紅い色が溶けるとほんのりピンクに染まったジャムが出来上がるから良いの。
だけどフジの皮はかたくって、少し煮上がっても歯にあたるように思えてあまり好きじゃないわ。色だってぼんやりしてるし。
だから果肉だけを使って皮も芯もタネも捨てちゃってたの。

それがね、ワタシが最近ライバル視しているジャムメイカー(個人ですよ)がリンゴのペクチンを抽出してバラのジャムを作っていたの。こないだ販売先で食べさせてもらったのよ。
大抵のバラジャムみたいなゼリー状ジャムって、工場製品のペクチンを添加してると思うのだけど、彼女のはペクチンまで自分でとっているらしいの。

バラのジャムには全然興味はないのよ。だって果実のジャムよりおいしいものはないと思ってるんだもの。
だけどね、ペクチンを抽出して作ったジャムは、なんて手がかかってるんでしょうって恐れ入るのよ。それもワタシが捨てていた部分からとれるんだもの。
そりゃワタシだって果汁をとった後のレモンの房や白いワタ、リンゴの皮や芯、タネからペクチンを抽出する仕方を知っているけど。

知ってはいるんだから、やってみるわ。
教科書として読込んでいる本を、久しぶりに読み返してね。なんだか、わくわくしてくるわね。
ワタシも抽出したペクチンを使って何か作ってみたいわ。まだどんなジャムにしたいのか考えはないから、実際はペクチンをとってみたいってことが一番なのだけどね。
どんなことになるのだか、楽しみよ。






第一捨てちゃう部分デコポン皮には少しずつ光が射してきている気がするの。
第二捨てちゃう部分のリンゴ皮はこれから新たな世界に突入の感じよね。
リンゴ皮に目覚めさせたライバルの彼女のことは、またいつかお話しできたらいいわあ。






デコポンを金属タワシで洗う

ああ…、肩から腕から親指の付け根までがバンバンよう!

あら、いきなり愚痴からスタートでごめんなさい。
それから、先週の金曜日の更新を休ませてもらってすみませんでした。今週からまた書きます。よろしくお願いします。

えっと、腕の疲労はね、デコポンです。デコポン。
デコポンの皮を洗うのがね、けっこうしんどいのよ。
皮を洗うだけでオーゲサねえって思ったでしょ!

だって熊本のみかん山から届くデコポンがサイズにばらつきがあって、小さいものもあるんだけど今年はやたらに大き目サイズが多いのよう。そうね、夏ミカンとか文旦くらいの大きさはあるのよ。
大きいことは良いことだ、ってただ食べるだけなら嬉しいものだけど、これがね加工するとなるとそうでもないわ。






左手にガッシと掴んだデコポンを右手に持った金属タワシでゴシゴシこするの。金属タワシって、ほらコイル状の銀色の金属がクルッとまとまってるやつね。鍋底のコゲなんかをおとす時に使うアレね。
ミカンの表面て、テカテカしてるでしょ。もちろんエバジャムの柑橘類のテカテカはミカン本来のもので、天然のワックスですよ。そのワックスを金属タワシではがしてくのよ。
なんでそんなことするかって言うと、皮で砂糖煮を作りたいからなの。

あ、デコポンには”デコポンジャム”と”デコポンマーマレード”って全然違うタイプがあるの。ジャムの場合はぜいたくに果実だけをぎゅうっと濃縮するから皮は使わないのね。最終的には使うんだけど、なんとなく宙ぶらりんな存在の皮が大量に出るの。
その皮を今年は上手に砂糖煮にしたいのよ。
一応プロなのに、上手にってなんだかヘンな言い方だけど。
なにしろ今まではテキトウに煮て、お菓子に焼き込んだり他のジャムのアクセントに使っていたの。それはそれでいい感じで使えていたんだけど、なんだかねえ、負けてる気がするのよ。






オレンジピールを作るのって難しいんだもの。だから煮るのをを避けてきたのよね、ワタシ。
何度か挑戦してはいるけど、なんだか今ひとつで、お客さんにすすめられるようなものは作れたことないもの。
販売するとかってことは別として、売れるレベルのものを作ってみたい欲求が生まれてるの、最近。

オレンジピールにチョコレートのコーティングしてあるのって、おいしいですよねえ。あれ、大好き。エバジャムではチョコ掛け商品は作らないだろうけど、チョコレートコーティングに値するデコポンピールが作れたら、違うステージに上がった気がしません?
気がするわあ。

作り方にはちょっとしたコツや経験がいるのだろうけど、柑橘類の皮を砂糖で煮るなんて単純なお菓子ですよね。
お砂糖の登場とともに開発されたと思われる、昔から変わらないレシピで、きっとどこの国にも存在するだろうお菓子と思うの。それって単純だからこそよね。
その単純さがなんか良いわ。

あ、それで、そのピール(砂糖煮)を作るのにミカンのワックスは邪魔になるのよ。ワックスだから水分を通さなそうでしょ。砂糖も浸透しづらい。
だから金属タワシでこそげおとしてるって訳なのよ。
ワックスをおとしたら、ゆでこぼして苦みを抜く下処理をして、それで砂糖煮していくの。
まだ途中だけど、うまくいくと良いわあ。

ちなみにデコポンは登録商標で正式な品種名は不知火(しらぬい)なんですって。不知火のうち糖度13度以上クエン酸1%以下のものじゃないとデコポンとは呼ばれないそう。
スーパーや果物屋さんでデコポンって売られてるものは、だから全部糖度をチェックしたものなのねえ。
デコポンが他の柑橘類よりちょっとお高めなのは、そんな検査を通ったものだからかも知れないのね。 

デコポンピールはどんなふうにみなさんのお口に入るかまだ分からないけど、いつか召し上がって頂きたいものよ。
ちょっと待っていて下さいね。



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プロフィール

 
宇佐美エバ亜希子
うさみエバあきこ
ジャム職人
埼玉県上尾市出身
季節を追った国産果物や野菜のジャムを作ります。 エバジャムを召し上がれ!

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