タネ取り地獄でございました

今週ぶじにブドウのジャムを煮終えました。
「べリーA」っていう品種よ。
「べリーA」は「べリー」×「マスカット・ハンブルグ」というブドウを交配して1940年に発表されたものだそう。ずぅ〜っと「べリーA」って呼んでいたけど、本名は「マスカット・べリーA」だっていうのを、調べてみて知ったわ。
へえ〜、「べリー」も「マスカット・ハンブルグ」も、どっちも知らない品種ね。ご存知ですか?
ブドウの品種って日本にあるだけでも30〜40種類もあるんですって。その中でワタシが食べたことのある品種は10種類あるか、ないかだわ。
と、書いてる途中で数えてみたら意外と15、6種類あったわ〜。
さすがジャム屋だわね、我ながら。




さて本名「マスカット・べリーA」ですが、”マスカット”だなんて付いてるとグリーンのブドウを想像しちゃうでしょう?
違うの、実際は黒に近い紫色なのよ。
召上がったことあるかしら?
最近ではタネ無しが多くらくに食べられるようになってるブドウですもん、タネのたっぷり入った「マスカット・べリーA」は敬遠されるかしらね。探せばタネ無しもあるそうだけど、ワタシは見たことないわ。

ワタシが子供のころ父親が借りていた畑の持ち主がブドウと梨を栽培する農家さんで、父親の畑の隣りにブドウ棚が広がって、なっていたのは「べリーA」だったわ。
季節になると妹と棚の下を追いかけっこしながらブドウの房からつまみ食いしたりして。ちゃんと有料のブドウ狩りもしたわね。母親は贈答用にどこかへ送ったりしていたのを覚えてる。
最近の大粒で美しいキング・オブ・フルーツてな堂々とした様子のブドウに比べて、濃い紫色の果皮に白く粉っぽいブルームを起こして田舎町の青年て素朴な感じの「べリーA」は、こどもの頃からの付合いからか愛着のある品種だわ。
味も、タネに気を取られがちだけど濃厚な甘みに適度な酸味があっておいしいのよ。




ジャム屋になってお付合いしているブドウ農家さんから、今まで送ってくださっていた数種類のブドウの木を切ってしまったというお手紙が来たのは夏のことだったの。
ガーーーーン…。
今後の仕入れに響くわ〜っていうこともあるけど、直接連絡をとり合っていた奥さんは詳しく聞いた訳じゃないけどもブドウ作りをしたくてブドウ農家へ嫁いだってくらいのブドウ(作り)好きだそうだから、ずいぶんなご決心だったと想像するわ。
電話をしてみると家庭の事情があってのことだそうで、それでもいくつかワイン用のブドウの木は残しているということで、赤ワインの原料にもなる「べリーA」も残ってたの。
それなら「べリーA」だけはい今まで通り送っていただくことにしたのよ。
「べリーA」はもう1軒の山梨の農家さんからも送ってもらっているブドウだったから、他のブドウがない代わりにたくさんの「べリーA」が今年は届くことになったってわけね。
それが総量なんと17kg。
今までで一番多い「べリーA」の山よ。

届いちゃった後で、目を背けたくなるのに気持ちを奮い立たせてむかったわ。
そう、タネ取り地獄の始まりなんですものー!
タネ取りのないほかの果物なら10〜15kgはこなすけど、ブドウは1日に5kg前後しかワタシ1人では処理出来ないわ。
え!?怠けてるんじゃないかですって!?
そりゃ、そうかもしれないけど、意外とジャム作りだって疲労するのよ。だから1日がむしゃらに動いちゃうと次の日使い物にならなくなっちゃうんだから、ペース配分も必要なの。




まずは房ごとジャブジャブ洗うでしょ。
そんで房からひと粒ひと粒を取っていくでしょ。
そんでつぶれやゴミをよけながら洗ってザルにあげるでしょ。
ここからですよ、タネ取りが始まるのは。

最近は延々と続く単純作業のときにはタイマーをかけて臨むことにしてるのよ。10分間ね。
10分のあいだにどれくらいの成果か確認したら、次はもう少し!その次はまたもう少し!って記録を更新してくつもりでね。
必ずやってくる睡魔にはブドウを2、3粒口に放り込めば良いわ。
ブドウ=ブドウ糖。
これぞエネルギー源てな感じで、ブドウ糖が脳みそに直撃して目を覚まさしてくれるの。ネット検索したらブドウ糖は「脳の活動を維持する為に、絶対に欠かせない唯一のエネルギー栄養素」ってあったもの。
実感するわよ。その即効性ったら驚くわ。
みなさん、疲れたときはブドウですよ、ブドウ。

そうやって作業を続けてって、まだ手をつけてない方のザルの底が見えてくると「もうひとふんばり〜!」「もうひとふんばりよ〜!」って、また自分を鼓舞してね。
あ〜あ、な〜んて孤独な作業なのかしら。
ここまで、タネを取り終えて煮るまでの作業に4〜5時間かかるとね煮るのはもうパラダイスよ〜。生の味から、ギュッギュッ、ギュッギュと味わいが変わっていきますからね。おもしろい。
はっきりとした濃い紫色も見ていて嬉しいわ。
そして確実におししいの。
なんてったって、ブドウですから。




毎年同じことの繰り返しで、「べリーA」に向かうときは自分を動かすのに気合いがいるのよ。この秋もちゃんと「べリーA」が終わってホッとしたわ。
それに今年はいままでとちょっと違う(気がする)の。

むか〜し、こどもの頃に家で食べたクロスグリのジャムの味わいが忘れられなくて、その後はそのクロスグリのジャムほどおいしいスグリジャムには出会えないんだけど、だけど実家がブドウ農家の友人が作る「べリーA」のジャムがそのクロスグリに似て、同じくらいおいしかったのね。
「べリーA」のジャムを作り始めてから毎年彼女のジャムを思いながら煮るけど、今年はレシピを少し変えてみて、ちょっとだけ近づけたように思うのよ。






エバジャム工房の1周年〜縫製さん編〜

8月に1周年を迎えて、お客さんへの記念プレゼントのためにオリジナルバンダナを作ろうと思い立ったエバジャム工房では、土台となるバンダナ地の縫製を頼める方を探しあぐね最初の一歩から立ち止まっていたのですが、とあるボタンホール工房のマダムに助けてもらって窮地を脱したんです、ね。

前回まではそんなお話しでした。

http://evajam.nihirugyubook.but.jp/?eid=146




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今回はボタンホール工房のマダムに紹介された縫製さんのことから始まります。

縫製さんは国分寺在住の方ということで、ボタンのマダムからもらった番号へ電話を入れて、自己紹介もそこそこにエバジャム側のしたいことを伝えたわけですが、この縫製さんもまた話しがとても早かったわ。


「再来週、三鷹に用事があるから済んだらうかがいます。場所?(エバジャム工房の)だいたい分かるわ、息子がそこら辺に住んでいるから。息子の家の近所だから(この仕事)受けたのよ。」

と、とんとん拍子に、というよりぼんやりしたワタシのペースをぐいぐいと進めてくれる感じで決めてってくれたわ。

こっちのぼんやりさといったらね、なんてったってまだ100枚分の生地を用意していないくらいですもの。


さあ、再来週の、縫製さんが訪ねてくるまでに生地を用意しなくっちゃだわ。

生地、生地。


バンダナに合うようにごく薄く柔らかいコットン100パーセントを探すには、馴染みはないけどやっぱり布の街、生地問屋街日暮里まで行った方が早いだろうと出掛けたわ。


布地や手芸パーツのお店が軒を連ねる日暮里中央通りをぐるぐるとあてどなく歩いて、入った中規模(大規模店は東急ハンズみたい!)の布地屋さんでやっとこれだという生地を見つけたのは問屋街が閉まろうとする18時の30分前くらいだったかしら。


シャツ用だという生地は、あるだけの同じ織りの半端な反物をかき集めてみると、実際には微妙に色違いで、それはそれで理想的。

半端反物は店員さんに概算を出してもらうと、なんとか100枚とれる量だったから、5本すべての反物を布切り台に置いて

「じゃ、これ全部いただきます」

って言うのは、たとえ半端反物であってもちょっとした大人買いの気分で良かったわ。

半端物を一掃するんだもん、もちろん値引きもしてもらったわよ。こういうことがあるのは問屋街でのお買い物の良さじゃないかしら。




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さて、縫製さんが工房へ来て下さる日は朝から雨だったので足下も悪いし、知った土地とはおっしゃっても地図もないのに迷わないかと心配だったわ。

声の感じからきっと年上だろうし、気が引けちゃう。


待ち遠しくって外で待っていると、あらわれた縫製さんはワタシの心配など無駄だったようで、雨用らしきビニル素材のバレエシューズを履かれてさっそうとした足さばきであらわれたの。

さすがに洋裁全般をこなすだけあってオシャレさん。(洋裁をこなす人ってオシャレな方しかしらないわ。)としのころは60代半ばくらいでショートカットがよくお似合いの小柄な女性よ。しかも肩にはヨガマットを背負ってらっしゃる。


縫製さんはヨガ返りだったよう。

エバジャム工房のある三鷹駅北口とは反対側の南口でレッスンだったとのこと。南口から工房まではちょっとした距離があるの。雨の中を歩くなんて、ワタシだったらちょっとうんざりしちゃうけど、縫製さんにそんな様子は見られなかったわ。


さっそく買ってきた生地を見せ、バンダナ寸法と端の処理の仕方を、さらに自分が持っているお気に入りの生地も併せてバンダナ大にしてもらうこと、ほかに余った生地もこうして、ああして、と決めてったの。

ほんの15分程の交渉だったけど、ずっと立ち話だったわ。イスを進めても座ってくれなかったの。なんとなくなんでしょうけどね。


一通りの話しを終えたて、縫製さんにワタシ言ったの、

「ボタンのマダムって良い方ですねえ」

って。そしたら縫製さん、

「そうよう〜、アナタ。あの人になんの得もないんだから。感謝しなくっちゃ!」

と一喝。加えて、

「それに縫製工場なんてこんな色んな要望をきいてくれないものなのよ〜。私だって息子が近所に住んでるから引受けたのよ〜。こんどは孫と来るわね」

と、カラカラとおっしゃったわ。

重いから送りますよと申し出た100枚分の生地を「大丈夫」とまたカラッとおっしゃって帆布でできた大きめのバッグに詰め込んで持って帰っていかれたわ。


なんかだか、気持ちいい方だわ〜。

ボタンのマダムからこの縫製さんにつながって、良かったわ。

ってものをググッと感じる体験だった。




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さて100枚とプラスαのバンダナはだいたい2週間ちょっとあとの6月末で仕上げてもらう予定だったのに、縫製さんからは連絡がなかったの。

日にちを決めてたわけではなかったから、ただ待っていただけだけど。

それでも7月頭には連絡をいただいて、その電話では

「やっと縫い終わったわ。すごく大変だったわ。」

って意外なお言葉のあとすぐに引渡しの日にちを決めてくれたわ。


電話から翌日かその翌々日の工房販売の日に、本当に3歳のお孫さんの手を引きながらいらした縫製さんから、きれいにアイロンがけされ2つにたたまれたバンダナ100何枚を受け取りお礼を言いつつ

「大変でした?」

って聞いたのよ。

「すっごいたいへんだったわよ〜!これね、これだけ細くふちを縫ってね、一枚一枚糸の処理するでしょ、それからアイロンがけもするでしょ、ホントに大変だったわ〜」

せきを切ったようにそんなこと言うから

「プリントは自分でやるから!ちょっとは大変さが分かると思うの!」

とか返してみたら

「あっそう、偉いじゃない。でも私の方が大変よ」

ですって。しかも

「もう2度とやりたくないわ!」

とまで言われちゃって!ワタシ、焦ったわ。

「え〜!ず〜っと、毎年やってもらうつもりだったのに!」


縫製さんひとりで100枚のバンダナを2週間ちょっとで仕上げるのはかなりタイトな作業だったとのことで、だから

「あ、じゃあ、毎月10枚ずつとかだったら大丈夫じゃないですか?生地をどんどん送ってね?ね?」

そんな提案でしぶしぶ「うん」と言わせたわ。

ああ、これで来年からも安心だわ♡


お支払いを済ませたら、縫製さんは工房販売中のジャム棚からジャムを何本か選んで買って下さったわ。

選ばれたのとは別のジャムをオマケで進呈したら、すごく恐縮してらしてそんなとこもとても好感が持てるわ。


さあ、土台は出来上がったわ。

デザイン画はもう出来てるもん。あとはプリントするだけよ。


ラッキーなことに友人のそのまた友人にシルクプリント工房を営む方がいるというので、交渉してもらいその工房を借りての1日作業となりました。

まずは持っていったデザインを版にしてもらったわ。絹(シルク)地に薬品を塗って感光させるそうで、この作業はすっかりまかせちゃった。




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いちばん興味深かったのは色作りね。そう、色は作るんです。

今年目にすることが多く楽しい気分になる蛍光カラー、ピンクにオレンジにグリーンの3色を作ったわ。

いえ、これも作ってもらったんだわ。ワタシは自分の頭の中にある色に近づくまで色をかき混ぜかき混ぜする工房主にOKを出すだけ。

この色作りのインクの組合わせは興味深いものだったわ。あれはプロの勘が必要だと思うわ。


これでやっとバンダナにプリントするまでの準備が整ったわ。

これからがワタシの出番です。

版にインクをのせ、スキージというゴムベラみたいなので版にインクを押しつけて生地に転写していく、ただそれだけのことでも、100何枚分ですからね。

大変そうでしょう?

でもね、日頃のジャム屋の作業もこの日に劣らない単純作業の連続ですもん、すぐにペースをつかんでぐんぐん刷り上げたわよ。


あ、ここまで書いたらワタシの出番たら、この刷りの部分だけだわね。

こうしてみるとたくさんの方の手を借りて作ってんのね。

つくづく迷惑な話しだわねえ。

付合ってくれる人たちがいて、良かったわ。

ワタシはとにかく楽しかった。


来年もまた作りたいの。次の生地選びも楽しみだし。

次のデザインのアイディアだってあるもの。

また付合ってもらえるように、縫製さんにもシルクプリント工房主にもちゃんと連絡取っとかなくちゃ。


ともかくジャム作りに毎週の工房販売をしっかりやらなくっちゃいけないわよ。

記念プレゼント作るための、日々のお仕事。

あら、なんだか順番が違う気がするけど、どっちもやればまあ良いかしらね。



 

エバジャム工房の1周年

みなさま、お久しぶりでございます!
お元気でお過ごしでしたでしょうか!?
今夏の暑さは物凄いですねえ!

そんな暑さの盛り、8月3日にエバジャム工房は無事に(?)1周年をむかえることが出来ました♡
この1年間はあっという間だったわ〜。
1年のあいだに何があったかしら〜?
ハテ?ホントに何があったかしら…。
イヤだわ〜、文字通りなにがなんだかわかんないうちに過ぎて行ったわ。
それでも反省することは、とにかく体調を崩してばかりだったことですよ。
トシもあるんでしょうけど、こんなに自分の体が弱かったとは!
悔しいったらないわ。
何度か週末の販売を休みましたもの。

それでも、週にたった2日しか開かない(それすらもたまに休む)というふざけた営業ペースの開店日を楽しみにしてださるお客さんが少なからずいらっしゃるんだから、ありがたいものです。

そこでそろそろ1周年だと気付いた6月上旬に思い立ったのが、お客さんへの1周年記念プレゼントよ。
何にしようかしら〜、ってまず考えるのが楽しいわ。

記念品に考えたのは大振りのハンカチ=バンダナです。
なんでバンダナだったかっていうと、たんに自分が欲しかったからよ。
作業中に髪をとめておく三角巾やヘアバンドに使いたかったの。
「お客さんのために♡」とは言いながら、あくまで自分が欲しいものだったりして。



made in japanて入ってます。



それではそれじゃそのバンダナをどうやって作りましょう!?
ここが問題です。

バンダナは、100枚は必要ね。なんとなくだけど100枚。
キリがいいでしょ、100枚って。
そのバンダナにエバジャムのロゴマークとなにか果物モチーフを組み合せたデザインをシルクプリントしたら、かわいいわ〜。
この時点でだいたいのデザインは浮かんでるの。
楽しい時間よ。
ポヤ〜ン…。
あんなモノが欲しい、こんなモノを作ったら楽しそう…なあんて妄想はいつでもしているものだけど、今回ばかりは妄想で終わらせたくないわ〜。

さあ、思いつくままにオリジナルのバンダナをどう作りたいか考えて。
まず思いついたのは端切れを使うこと。100枚分のバンダナを集めた端切れで作るの。
どこかに眠っている端切れをかき集めて使うの。そしたら1枚1枚が違った表情に出来上がって面白そうよ。
素材はやっぱりコットン100パーセントが良いわよね。
生地は日本製のものを使いたいわ。
その端切れをバンダナ大に縫製してもうらう、でしょ。
そんで考えたデザインをそのバンダナにプリントすれば、ハイ!出来上がり〜。






ってな、妄想ですわ。
楽しい妄想よ。
ポヤ〜ン…。
では、その妄想を実現して行きましょう!

インターネットで”オリジナルバンダナ”って検索すれば、希望枚数で、用意された生地に数種のデザインをプリントしてくれるバンダナサイトがつぎつぎとあらわれたわ。
う〜ん、とってもクイックでとっても便利ね。
だけど、なんだか違〜う。
便利だけどワタシにはなんだかフィットしない〜。

ということで、小さな脳みそで自分なりのやり方を考えてみたわ。
最初の考えはね、縫製は、東京近郊の縫製工場を探してその縫製工場にねむる100枚分の端切れでバンダナに仕立ててもらったら良いんじゃな〜い、てなもの。
そんでプリントは手刷りのシルクプリントで、思いついたデザインの版を作ってもらって、刷ってもらったら良いわ〜。とね。

しかしながら、縫製工場なんてツテはないわけです。
ネット検索でしか探していないけれど、バンダナやハンカチのようなものを縫製してくれそうな工場はまず見つからないもので、あったとしても島根だったか鳥取だったかのハンカチ工場で、まず100枚なんて量はやってくれなさそうよ。少ないの。
たとえやってくれたとしても、島根だか鳥取じゃ三鷹から遠すぎて不安よう。
ないのよう〜、話しを聞いてくれそうな縫製工場なんて日本になさそうなのよ〜。
土台になるバンダナが出来なきゃ話しが始まんないわ〜。

知人、友人に相談してみても縫製工場とのツテは見つからず、しばし焦る数日をすごしつつも”東京、縫製”でネット検索し続けて、やっとここに電話してみようかしらという気になったのがとあるボタンホール工房だったわ。
いま思うとなぜボタンホール工房に連絡をとってみようと思ったのか分からないけど、きっとパソコン画面上からなにかオーラのようなものを放っていたんだとしか考えられないわ。

なんでそう思うかっていうと、電話して、まず自己紹介からこれから自分がしたいと思うことをごちゃごちゃと説明し終えると、その国分寺のボタンホール工房の女社長は
「ウチとは関係ない仕事だけど(ボタンホール専門工房だから当たり前ね)、少ないロットで縫製できそうな方に知合いはいくらでもいるから探してみるわね。マージンなんかいらないから大丈夫よ」
と、小気味よく言って下さるの。
「それじゃ、ウチのアドレスをアナタにファックスするから折り返しアナタの情報を縫製をお願いする方に伝えられるようファックスしてちょうだいね」と、またキリキリッとワタシに指示なさって電話を切ったの。
うわ〜〜〜ん♡
もう、運命としか思われない。
神様だか仏様だか八百万の神だかがボタンのマダムをワタシにお与えになった!

突然に好転してルンルン舞い上がっているワタシにさっきの電話から5分も経たないうちにマダムからファックスが届いたわ。
は、早い!女社長、仕事(ホントは仕事じゃない)が早い!
仕事の早いマダムを見習って必死にエバジャムのことや所在地を書いたファックスを返信して待つこと、数日。

数日後、マダムから1人の縫製さんを紹介していただいたの。
「とっても感じのいい方だから直接電話をかけて交渉してご覧なさい」
とおっしゃるマダムはさらに
「もしこの方から断られてもまだ三鷹近辺に知った方がいらっしゃるから、また連絡しなさい,紹介してあげるから」
って、なんとワタシの不安を見透かすようにそんなことまで言って下さったわ。
マダムの歯切れの良さに、ワタシは大船に乗った気分だったわ。

ところが結局1人目の方には断られているの。
うろたえたわ〜。紹介くださった時点で決まったつもりだもの。
それでもボタンのマダムの「決まらなかったらまた電話しなさい」の言葉に甘えて、すぐにSOSの電話を入れさせてもらったわ。
電話口のマダムは
「あら〜、私がお話ししたときと話しが違うわね、引受けてくれそうだったのに〜。あら〜、困ったわ〜!」
と多少の困惑を見せながらも
「まあ、ちょっと待っていなさいな」
と、また安心の歯切れの良さで電話を切られたわ。

なあんてやり取りがあったんです、1週間くらいのあいだだったかしら。
結局は2人目に紹介いただいた国分寺在住の女性に、ボタンのマダムいわく「なんでも出来る方よ〜!」という女性に、100枚のバンダナ縫製は託されたの、ついに。

ボタンのマダムの登場はここまでです。
最後にマダムは
「(ボタンホールの)工房にアナタのことを知ってる方がいたのよ〜。それならがんばらなくっちゃと思ったのよ〜。ジャム作り、がんばってね〜。今度買いにうかがうわ〜!」
と、ご自分の仕事(仕事じゃないけど)を終えられた安堵の気持ちからかほがらかにおっしゃって電話を切られたわ。

どこの馬の骨ともわからない人間の電話から、なんの得もないのに世話を焼いてくださるなんて方がいるのよねえ。

さて、これからは縫製さんとのやり取りです。
です。が、フル〜ツデイズにしてはちょっと長くなりました。
息が切れてきちゃったので、今日はこのへんで許して下さいませ。
次の金曜日には縫製さんが登場よ!







バラ科フルーツの季節でございます。

みなさま、いつものことですがお久しぶりでございます。

東京は数日涼しい日があったけれど、また30℃を超える暑い日が続いてます。東北では雨が続いてたり、沖縄や九州地方も台風の影響なのか風雨にさらされているようで、この夏は「夏の要素が一気に起こっている」って、ニュースでは言ってたわ。
ずっとこんな調子なのかしら、この夏は…。「夏が大好き〜!」と言ってはばからなかったワタシでさえ「冬が恋しい…」とついこぼしてしまうほどだわ。

あら、久しぶりにアップするっていうのに、またグチから始めちゃって、ごめんなさい。
夏の悪口を言うけれど、夏は果物がじゃんじゃんと届くジャム屋的には楽しい季節の到来でもあるのよね。
あ、楽しいだなんて言ってるけど。
楽しくもあり、果物に追いかけられる苦しい季節でもあるのでした。
実った果物はアッという間のタイミングで熟しちゃうもの。
収穫したら農家さんはすぐに出荷したいでしょう。受け取ったコッチは冷蔵庫の容量をはかりながら荷受けして、次から次へと加工しないといけないわ。果物をダメにしないようにね。
農家さんからの出荷連絡と自分の処理能力を天秤にかけながらの緊張感ある日々なのよね。
ホントよ。

そんな怒濤の夏の果物シーズン到来を知らせるのが、梅なのね。
エバジャムでは白加賀っていう品種が一番に届くわ。
それは6月の頭ですから、エバジャムの夏は6月から始まるってことね。
夏のスタートが早いんだわ。

白加賀ってのは、スーパーなんかでも一番始めに出回る品種で梅酒や梅シロップ作りのためにって、まだ固くて青い状態のが売ってますね。
産地は関東地方に多いですね。


白加賀梅


そのあとで市場に出てくるのが、ウチのあたり、東京は武蔵野では紀州の南高梅よね。
南高梅ていったらThe・梅干しって印象ですよね。和歌山県特産の高級品種で、南高梅=おいしい梅干しってインプットされてません?

南高梅も良いですよ。
スーパーに並ぶふっくらと紅色をさした黄色い大きな南高梅を見ると、そりゃあ「うう〜ん、煮てみたい…。」と見つめちゃう。
だけど、だけど、なあんで遠くからやってくる南高梅様ばかりが重宝がられるのようぅ。
関東にも南高梅に匹敵する高級品種があるってのにさ。

神奈川県は曽我の十郎梅といえば、「西の南高、東の十郎」っていわれるように(なにかで読んだの。)粒の大きさと、熟すとほったりと柔らかい肉質、品の良さで南高梅に負けないんだから。
その十郎梅が白加賀のつぎにエバジャムに届くのよ。ワタシとしては手に入らない年もあることだし煮られるのが嬉しいわけね。だけど今ひとつ販売してる時の反応がうす〜いのよ。
お客さんの反応がよっ。
「十郎梅?ふうん…。」てな感じ。
これが南高梅だったらリアクションが違うんじゃないかしら…、なんて考えたりして。
え!?梅の種類にじゃなくて、ジャム自体に魅力がないのかしら!?
いやだ、そこんとこも考えないといけないわね。


レモンと十郎梅


などとひとり十郎梅の肩を持つのだけれど、ワタシだってジャム屋になってから梅にも色いろあることを知ったわけですが。
あんまりにも十郎梅の名前が知られてないのには、ワタシが扱うようになったここ数年のあいだに不平がつのるばかりなの。
あ〜あ、もう少し十郎梅に注目してやっても良いんじゃないのさ。
町(神奈川県小田原市)を上げての広報が足りないんじゃないかしら〜。んもう。


十郎梅。


まあ、良いわ。
それじゃ、豊後梅っていうのもあるの、知ってます?
この梅ももちろんジャム屋になってから知った梅ね。
山梨の農家さんが持つ1本の豊後梅の古木から、木の調子が良いときだけに収穫して送られてくる実は、なんと杏との中間品種らしく、黄色味の強い見た目や、甘ぁ〜い香りはなるほど杏にそっくりね。
杏味が入ってるから、ジャムにはもってこいなのよ。


豊後梅


だから毎年煮たい梅なのに、古木の豊後梅は実ったりまったく実らなかったりで、気まぐれでしか手に入られないのよ。
農家さんと「もう寿命かもしれないからねえ…。今年はどうかなぁ…。」なんて会話を何年か前までしていたのを、去年はあきらめモードで話題にもしなかったけど、それが今年は突然送られてきたの。
嬉しかったわ〜。
すぐに送っていただいて、サクランボやホンモノの杏を大急ぎで煮てから、豊後梅に取りかかったわ。
これでスケジュールと冷蔵庫はギュウギュウよ。
そのせいで今年初めての桃の発送は泣く泣く断ることになっちゃった。今でも手元に桃がないのは悔やまれるけど、欲を出して頼んだら腐らせちゃってたかもしれないんだから、こういう時の判断は”勇気ある撤退”と名づけて、農家さんに丁重にお断りするのよ。
全部の収穫に追いつきたいけど、それがかなわないのが、夏なのよ〜。

あ、またグチってたかしら?




ちなみに豊後梅は、豊後っていうだけに大分県の県花だそうで、八重咲きで大輪の花がきれいなんですって。お花は見たことないの。

今年、エバジャムで煮ることが出来たのは3品種、白加賀梅、十郎梅、そしてエバジャム的幻の品種、豊後梅ね。
さて、突然ですが問題です。梅と杏の植物学的分類はなんでしょう!?

そう、バラ科なの。
バラ科の果物なんて、ステキじゃなぁい?
そんなにバラが好きじゃなくっても、バラに、お花に属するって考えるとなんだかステキよ〜。
だって、じゃあウリ科(ex.スイカ)とかミソハギ科(ex.ザクロ)とかブドウ科(ex.ブドウ)とかって、あんまり気分が上がらないわ。

しかも梅と杏は細かくいうとバラ科アンズ属なんですって。
良いわ〜。
バラで、杏だなんて。
ワタシが果物になるんなら、バラ科でアンズ属とかバラ科キイチゴ属(ラズベリー)とかバラ科リンゴ属とかがいいわ。

あ、すごいわね。
果物の分類を見ると、けっこうな数の果物がバラ科なのね。
なっとくは、それぞれ花のカタチを思い浮かべてみるとどの果物の花も野生種(一重)のバラのカタチによく似ていることよ。
梅もイチゴもリンゴも梨も、思い出してみると、みんな花のカタチがそっくりね。
だからって訳じゃないけど、バラは野生種の一重のが好きだわ。可憐で、シンプルな形には潔さも感じます。

あ、話しがそれちゃった。
さて、そろそろ梅の季節が終わりつつあります。
みなさんは、今年の梅でなにか作りました?
エバジャムの梅ジャムは、未成熟の青いのを煮た白加賀梅のジャム、ぽってり熟した品のあるスッパさの十郎梅ジャム、そして杏との中間品種の豊後梅と本家の杏をミックスした先祖返り(?)ジャムの3種類。
白加賀梅のジャムは終わっちゃったけど、十郎梅のジャムは工房販売に並んでますからね。
豊後梅と杏のミックスジャムはこれから工房に並ぶんだけど、ジェラートになって7/20(土)から食べられますから、気になる方はぜひお試しあ〜れ!








農家さん訪ねて②

さて、行って参りました神奈川県は小田原市へ。

なんて、いつの”さて”だ!?と思われる方がいらっしゃることでしょう。
今はすでに6月。小田原市を訪れたのは4月の半ばのことですから、今までどれだけサボってきたのでしょう、この「フル〜ツ・デイズ」を…。
いえ、ジャム屋的フル〜ツ・デイズは日々いとなまれてはいるんですけど。ですけど…。

えっと、あまりに間を置きすぎてなんのことか分からない方が多いでしょうね。
えっと、小田原へはエバジャムのジャムの材料となる果物をいろいろ送って下さるジョイファーム小田原さんを訪ねるために出掛けたの。
もう7年くらいお付き合いのある仕入れ先で、ずっと担当してもらっているアリサカさんに誘われて農地を視察してみようってわけです。
前回のマガジン「フル〜ツデイズ」にも書いてありますのでお時間ある方はこちらもお読みになってね。▶ http://evajam.nihirugyubook.but.jp/?month=201304

せっかく小田原まで行くんだからと、貧乏性のワタシは箱根の温泉も抱き合せにした2泊3日の時間をとったわ。
日曜日のエバジャム工房販売の営業を早じまいして、まずは箱根入り。箱根のお話しはエバジャムのブログへ書いてますのでお時間あれば読んでみて下さいませ。▶ http://blogs.dion.ne.jp/evajam/archives/11166145.html

それでね、小田原ですよ。
小田原ね、良かったんです。

東京から見ると小田原は、おしゃれタウン横浜(イメージ)を超えて、海辺のさわやかエリア湘南(イメージ)を超えて、その隣りに位置します。
小田原は湘南の隣りに地味ぃ〜に、熱海や箱根の玄関口として(だけ…)存在してる(ように見える)んです。

そう、地味なのよね。
でも良かったんです、小田原。




小田原を訪れたその日は午前中から強い陽射しの良いお天気で、 じんわり汗ばむほどでした。(4月です。)
8時半に小田原駅前にて待ち合せたアリサカさんの車に乗せてもらい、いざ小田原の山の畑を目指してレッツ・ゴー!
レッツ・ゴー!なんて、初対面の人とそんな気軽な?
はい、そんな気軽な感じで。名刺交換などもなく挨拶もそこそこに。
短い時間だどんどん使え〜ってなもので車に乗り込んだワタシ達は道を急いだのでした。

7年ものあいだ声だけしか聞いていなかったアリサカさんの印象は、想像よりずっと若々しく(36歳)服装はさっきまで作業中だったのかしら〜?と想像するようなごくラフなもので、そのせいか打ち解けやすく、車内に落ち着くやいなやワタシは質問攻めにしちゃったわ。

キウイや玉ねぎ、青梅にプラムにブルーベリー、レモンも送ってもらっているのですが、エバジャムが注文する作物以外にも多くの作物を扱うジョイファーム小田原は小田原市内(一部静岡県)の100以上の農家さんを統括して、有機栽培を実践し収穫した作物を大手小売業者に卸す会社でした。
会社って聞くと従業員が何十人といるのかと思うけど、驚いたことにたくさんの農家さんを束ねる会社の従業員がアリサカさんを含めてたったの5人(うち2人がパートさん)だそう。

エバジャム担当のアリサカさんのポジションは、作物の生育状況を把握して、いつどこへどれだけ出荷するかの指示を出すこと。指示出しにともなって書類作成もあるそう。
作物の生育状況〜出荷支持という流れには農家さんとのコミュニケイションが必須なのでしょう、アリサカさんは小田原(と静岡)に点在する農家さんを訪ねるために1日の大半を車移動に費やすそう。
そしてそのポジションにいるのはなんとアリサカさん1人だけだというから、それはそれは大変な仕事量と想像するわ。
忙しさのあまりお昼をとりのがすことも多いんですって。

そりゃあ、ワタシが注文のために電話したってつかまらないことも多いでしょうし折り返しの電話がないこともありましょう。
アリサカさんのお仕事を聞いて、お忙しい中の貴重な時間を、この日はエバジャム農地見学のために割いてくれているかと思うと、なんともありがたいものよ。

ところでどんなとこが小田原は良かったかというと、ですわ。
小田原駅に電車が入ると向こうの方に城(復元)がどどーん!とそびえるのが見えるの。
まずそれにびっくり!おもしろ〜い。
そりゃ、京都や奈良や城下町にお住みの方だと大きな瓦ぶきの屋根をご覧になることもありましょうけど、武蔵野の住宅街じゃあそびえる城などを目にすることは、異国へのトリップ同然でございます。次元が違うの。

城は眺めるだけですけどね。
城下町はスルーしてアリサカさんの軽自動車(バン)でワタシ達は農地を目指せば、小田原は、駅周辺から少し遠ざかればすぐに海が見えることに、感動。
そして海と民家を挟んですぐに山に入れることに、感動。
海と山ですもん、良い!




目の前が海という、1軒の農家さんの作業場を併設するミカン倉庫にまず寄ってもらうと、あるじは不在のよう。しかしアリサカさんはひるむ様子もなくあるじらしき方に電話を入れて「ちょっと倉庫を見せてもらいま〜す。」とだけ言って切ってたわ。
貯蔵と追熟のために使う倉庫をのぞいたり、コンテナに入っているB級品かそれ以下の等級としてはじかれた小粒なミカンを「これはもう捨てちゃうんだろうな〜。」などと言いながらアリサカさんは手にとってむき始めたから、ワタシも〜っとつまませていただいたわ。
小さいけれど、どれもおいしいったらないの。




そこからアリサカさんの車はさらに山に入ります。
山は色んな木々が新緑をきらめかせて、良い香りがしたわ。東京の青梅あたりの山じゃあスギやヒノキ林が多く、山の色が深い針葉樹色に一色だったりするけれど、小田原の山は林に色んな緑があって好みのタイプの山よ。
4月の半ばにかろうじて桜は花びらを残している程度だけど、元気な黄色の山吹や、段々畑の石垣には可憐なヒナギクやスミレがはり付いて咲き誇ってるし、民家のツツジや芝桜も鮮やかだったわ。
山には手がまわらず荒れた部分もあるにはあったけど木々の種類の多さと民家の庭木や花壇の花々がほどよくミックスした景色は、ワタシには夢のような景色だったわ。
しかも、ふりかえれば、海〜!




辺りは静かだけど、天気のよいその日は、太陽は海を反射してさらに強くギラギラと斜面のミカンの葉を光らせて、活力にあふれてる。
山道をどんどんあがって行けばつぎつぎ目に入ってくるたわわに実る甘夏、ネーブル、ニューサマーオレンジ、バレンシアオレンジにキンカンにレモン。そしてそのときが満開のブルーベリーの花。




「ああ、ここは南フランス?」

そんなつぶやきにアリサカさんは「ハハハ…、子供と年寄りだけですけどね〜。」ですって。
小田原もやっぱり人口流出に悩む地方都市ということみたい。




その後もアリサカさんのものすごいドライビングテクで、軽バン1台がやっと通れるほどしかない山の農道をクイックイッと進んで農地をまわってくださったわ。
ところがその日はいつもアリサカさんが訪ねると作業をしているはずの農家さんたちがみなご不在で、ワタシ達は所有者からの説明はいただけなかったの。
それでも勝手知ったる他人の畑とばかりに、アリサカさんの説明はさまざまに通じていたから、それでもOKよ。

農地は山の斜面いっぱいに広がっていてね、その広大な土地に持ち主が何人かいることもあって、どこまでがそれぞれの農家さんの土地なのか分からなくなっちゃいそう。
でもね、よおく見ていると、なんとなくこっちからはお花が植えてあって可愛いミカン畑。こっちからは草が茂ってワイルドね、なんて差を発見できるから、農地も人によって様々なのよ。
そんなことをしゃべっているとアリサカさんは「ここン家は奥さんが花好きだから〜」って教えてくれるの。さすが、それぞれの農家さんをよく知ってらっしゃるのね。

海に反射して輝く、スペインにしかないと思っていたたわわのバレンシアオレンジ、満開のブルーベリーの花、レモンの花、初めてのものをたくさん見られてどれも心に残る景色ばかりだったけど、とくに印象的だったのがエバジャムのジャムにあまり関係のないビワの林ね。
ビワは、ジャムにするには味わいが淡いし、しかもわりと値段が高いから手の届かない果物で、アリサカさんにビワ畑に連れてってもらっても内心は「ふうん、ビワか。」程度だったの。
でもね、広がるビワ畑には農家さんが自分で這わせた小さなトロッコの線路がはり巡らされてて、そのトロッコを使って収穫や剪定をするんですよと説明されると、つい興味がわいちゃう。
そのお手製トロッコがなんとも良く出来てるのと、すごい工夫とその手間にため息が出ちゃうわ。
「このトロッコにいくらかかったんだろう…。収益あげるの大変だろうに。」とつぶやくアリサカさんは続けて「TPPなんかに参加したら、農家はみんなやめちゃうよ〜。」って言いました。
困るわ、ただでさえ”農家は食えない”って後継者問題に国産果物を材料にするワタシはひそかに気持ちがふるえるっていうのに、さらにわざわざ波紋を起こすようなことにならないかしら、TPP。



うぐぐ…と胸をつまらせてると、ジャムにはならないものとチラ見だったビワ畑が黒々と迫って来ます。
そう、本当にビワ畑は黒々と濃い緑色の葉をムキムキと広げ、畑の中は真っ暗。話しを続けるアリサカさん達を置いて、その畑の中に「ちょっと失礼」と入ってみたの。
なんなのかしら、あの感じ。
ビワの林の中はすぐ横でTPPについて話す2人の声を遮断してシーンと静まりかえってるの。外の2人はいないかのようよ。
空からの光は生い茂る枝に葉に遮られて暗い地面には雑草もはえないのかしら、それともきちんと草刈りされてるせいなのかしら、しっとりした土がやっぱり黒々と広がっていたわ。
ハンモックかビーチベッドでも広げてだらんとするか、瞑想でもしたら上手にできそうな空気なの。
超有名パワースポット(伊勢神宮とか)なんか行くと頭が痛くなっちゃったりする邪悪なワタシですが、ビワ畑にはどっしりしたエネルギーを感じてすごく気持ちよかったわ。
なんとなく、頭に浮かぶイメージは”太古”なの。
ワタシの妄想果物学的には、ビワは太古からほとんど進化せずに今ある植物なんじゃないかと想像するわ。アンモナイトみたいに。
「ビワすごい、ビワすごい!」って言いながら畑を後にして、車に乗り込みワタシ達は次の農地に向かったのでした。

いくつもの農地と何軒かの農家さんをまわってもらった帰り道は調子にのってアリサカさんのプライベートを突っ込んでみたわ〜。
結婚して3年のアリサカさんには大手パン屋さんで勤める奥様がいらっしゃるの。
毎晩11〜12時に帰宅するというアリサカさんへ、「奥さんからクレームこないんですか?」って聞くと、朝の早いパン屋勤めの奥さんは帰宅の時間にはすでに寝ていて、ほとんどすれ違いだからクレームもこないんですって。
あらら…。
だけどそんな2人には、パン屋さんを併設した観光農園(お客さんが摘取りできる農園ね)をやるって夢があるんですって。
良いわ〜、夢があるって。
「アリサカさんなら、出来そ〜!」なんて軽く相づち打っちゃったけど、きっと出来ると思うんだわ。ジョイファーム小田原でのハードワークの7年間を思えば、農業の難しさも乗越えられそう。

ああ、だけどアリサカ夫妻の夢が叶ったら、ジョイファーム小田原にエバジャム担当がいなくなっちゃう…。イヤだ、急にさびしくなっちゃう。
末永く、エバジャムとアリサカさんの関係が続きますようにと願うのは、自分勝手かしら。




山と海に囲まれて、古くからの農家さん(鎌倉時代から続くっていう農家さんにも会えたの!)に守られた静かな小田原は、駅周辺から小田原城にかけては繁華な城下町の一面もあって買い物するのに不便はなさそう。これは住むには良いのかも。
それに箱根で降る雪も小田原は避けていくんですって。暖かいのね。温暖な気候はミカンにも良いし、ワタシも望むトコロよ。
帰ってからすぐに物件情報サイトをチェックしたくらい、気になる小田原。
小田原についてなにかご存知の方は、ぜひ声をかけて欲しいわ。
よろしくね。












農家さん訪ねて①

数えたら分かるけど、数えないから正確な軒数は分からないんですがエバジャムにはお付き合いのある農家さんが何軒もあります。

ハッッッッ!
その前にお久しぶりでございます、エバジャムです。
みなさん、ごきげんよう。
マガジンをずいぶんサボっている言い訳は…、しないでも良いわよね。
ただ毎週、金曜日が 来ることは心苦しい限りでございました。
楽しみにして下さる方にはごめんなさい。





さて、気を取り直して続けますよ。
今は柑橘類の季節なので九州からいろんな種類のみかんが届くんです。
熊本のみかん山さんからは去年の10月だったかしら、ライムが届いてそのライムを皮切りに冬から初夏までつぎつぎと柑橘類が届くんです。
ライムからしばらく間があいて3月下旬にデコポンが来るんですよね。みかん山さんから。
だから当然デコポンの送り先住所はライムを発送した住所で良いんですよ。分かりますよね?
だけどね、デコポンは待てど届かなかったんです。
最近は熊本から出発してもあいだ1日必要とせず翌日に着いちゃうの。すご〜い。
ってね、みかん山のヨシダさんが言うから発送の翌日は「まだかな〜♡まだかしら〜♡」って楽しみにしてたのよ。
デコポンは大好きだもの〜。お客さんからも超人気のジャムになるんだしね。
それなのにその日もその翌日も届かなかったから、午後になってからヨシダさんに「届きませ〜ん!」って連絡いれたのよ。
そしたらなんと、住所を工房が移転した前の、その前の住所に送ってしまってたことが判明。
えええっ!?前の前の住所なの!?なんでえぇぇ!?とは攻めたりしませんわ。電話の向こうの声は「(小さく)うわ…やっちゃった…。(大きく)すみませんっ!」ってものすごい焦りようだもの。当たり前でしょうけど。
あまりの焦りようにコチラは笑いそうになるんだけど。

だけど、こちらだってそんなにのんびりしてるわけじゃあないのよ。すぐに煮て瓶詰めして週末の販売に出すつもりだったんだから。
ヨシダさんは速やかに運送会社に後追い調査して下さったようで、送り先違いだったデコポンは1時間かそこらで無事着荷したわ。
すぐに作業にかかって週末の販売にこぎつけたから、ぎりぎりセーフってとこかしら。

送り先違いで果物の着荷が遅れる事件は、ワタシが移転先を伝えてないケースもあったりするけどそうそうある事件じゃないわ。そんななかでヨシダさんは送り先違いの初犯じゃなかったはずよ。

ヨシダさんとはいちど熊本を訪ねてお会いしているので、なんとな〜くその人となりを知ってるつもり。だから住所違いには驚きはしても”やらかしそう…”な方とお見受けしたわ。
そんな風に人のこと言えるタイプじゃあないですけども、ワタシも。

お付き合いのある何軒もの農家さんには色んなタイプがいらっしゃるの。それぞれの方と今のとこ仲良くしていただいているつもりよ。





キウイをシーズン中に何度も送ってもらうのはジョイファーム小田原さんから。
ジョイファーム小田原さんていうのは、有機栽培を目指した農家さんの団体、有限会社らしいの。これは専用のサイトからの情報ね。
その農業会社に属しているのはきっと地元小田原の農家さんと、事務関係も小田原の地元の方々が少なくないように思うの。
地元の農家さんとその周辺の人たちが協力し合って農業に携わっている感じがするのよね。
電話口からの空気でそんな感じがするだけですけど。

会社だからね、電話をかけると受付けの女性が出て担当さんにつなげてもらうのよ。
ワタシはアリサカさんて方に担当してもらって、もう7年くらいになるかしら。





エバジャム担当のアリサカさんは忙しい方のようで、会社と倉庫なのか畑なのかを行ったり来たりしてるようでなかなかつかまらなくってね、受付けの女性に折返し電話してもらうように頼んだって、当日電話がかかってこないことも多いの。
もう〜アリサカさんいっつもかけ直してくれないんだから〜と思いながら電話し直すことになるんだけど、つながればその時はいつもハキハキと気持ちのよい対応だから無礼を許しちゃうわ。

そんなアリサカさんから畑を見にきて下さいと言われたのは、お付合いが始まって6年経った去年のこと。
農家さんはたいてい遊びにいらっしゃいって誘って下さるのだけど、アリサカさんの場合はジョイファームっていう会社とのお付き合いということで、農家さんとの個人のお付き合いとはちょっと違っているように思えて、そんなお誘いがあろうとは意外だったわ。
それでもお声をかけていただいたなら、ぜひとも出掛けて行きたいわ。日々取引しているアナタのお顔を一度は拝見したいもの〜!ってなもんです。

ということで今週の日曜日から2泊3日の日程で計画をたてたってわけよ。
え?日曜日っていったら工房販売があるじゃない!ですって?
そうなんです、営業があるんです、エバジャム工房でね。
ですから誠に勝手ながら今週の日曜日の販売は11時〜15時(本来なら18時)までとさせていただくのです。
すみません。許して下さいませ。

ジョイファーム小田原がどんなふうに成り立っている農業集団なのか、アリサカさんは本当に忙しいのか、受付けで気さくな応対の女性スタッフはどんな方なのか、いま実っているレモンを採ったり、5月に入ってから送ってもらう約束の新玉ねぎを見せてもらったり、あれもこれも見てくるつもり。
アリサカさんは体を開けて待ってくれてるんですって。
楽しみだわ。
そして、小田原まで行くんだもの温泉にも入って参ります〜。
だって、旅費がもったいないでしょう?





というわけでの2泊3日。
小田原、箱根の研修旅行のご報告はまた後日にね。
なるべく早めにまとめたいと思っていますわ。












段ボールの果物はおまけ付き

ウチには毎週毎週、いくつもいくつも段ボールが届くわ。
もちろんその段ボールには季節の果物がぎっしり詰まっているの。
頻度が多いのと、重〜い荷物ばかりを運ばされるせいか届けてくれる運送会社のウチを担当する運ちゃんとは引っ越し先でもすぐに顔見知りになるのよね。
送料を浮かすために農家さんと結託して10kg段ボールを2コ結束して一個口にするという荒技をやってのけるから、そりゃ記憶に残ることでしょう。

各地の農家さんから届くその段ボールを開けるのはジャム屋の醍醐味と言っていいくらいよ。
忙しかったり、段ボールの着荷が重なったりすると、待ってはいても箱を開ける手に力が入らない時もあるんだけど、それでもエイヤッとガムテープに手をかけてバリッと引き裂けば(カッターを使うなどしないの。)、中の果物の香りがはじかれるように放たれてその良い香りに眉間のシワも伸びるってものよ。
アロマの効果は疲れた気持ちを一瞬切替えてくれるわ〜。
「さあ作るわよ〜!」って気力を思い出させるの。






そんな段ボールに、最近はおまけ付きってのが続いているのよね。
今までもライムの段ボールにレモンがしのばせてあったり、ユズの段ボールにレモンがしのばせてあったりってことはあったわ。
あら…、レモンのおまけが多いのね。
それがここのところのおまけがちょっと面白かったのね。
まず嬉しかったのは高知県の農家さんに頼んでいるショウガの段ボールに立派なサツマイモが3本、ごろんと入ってたことよ。
高知のサツマイモって初めてよ〜。嬉しいわ。どうやって食べようかしら!?

続いて届いたのは熊本県の農家さんに頼んでいるイヨカン。
このイヨカンの段ボールに入っていたのは、これが笑っちゃうわ、使いかけのガムテープだったんだもの。
イヨカンにスポッとはまっているじゃない。
はまったガムテープに気付かず上からイヨカンをどんどん重ねてって、いざ段ボールのフタをする時にきっとテープを探すことになったでしょうねえ。






さらにこのイヨカンにはデコポンの皮の砂糖煮が2パック入れられてたわ。
本当に入れたかったのはこちらの袋菓子だったんでしょうね。ガムテープが取り残されたのはこのお菓子に気を取られちゃったせいじゃないのかしら。
「アレ?テープはどこ行った?」なんてつぶやきながら、仕方なくあたらしくテープを出してフタしたんでしょうねえ、なんて想像するとおかしいわ。






この日イヨカンと同時に届いたミカン箱2個のキンカンには、正直なとこゾッとさせられたわ〜。だって、ミカン箱2個分のキンカンよ。ザッと考えると20kgはあるのじゃないかと想像されたのよ。
いつも1箱分のミカン箱で送られてくるから、生産者さんの「送れるだけ送りま〜す!」という言葉にいつもの通りだろうとタカをくくっていたのよね。
そしたら2箱でしょう、タネ取りを思うとワタシの処理能力が追いつくのかぜんぜん自信がなかったの。
開いてみれば1箱の段ボールの半分には小さめのデコポンが詰まっていたの。
わ〜お!デコポンは大好物よ♡
生でもジャムにしてもおいしいものね。タネも少ないわ。






実はキンカンのマーマレードは、レシピが落ち着かないアイテムのひとつなんです。
キンカンマーマレードが大好きって言ってくれるお客んも多いのだけど(エバジャムのですよ。)、どうもワタシは落ち着かない。
そこでですよ、今回のおまけ付き段ボールでひらめいたの。デコポンの果汁をキンカンマーマレードに加えてみたらどうかしら?って。

もちろんすぐに試してみたわ。
今年のキンカンマーマレードは少しデコポン入り。このおかげで進化してるように思われるのだけど、あら、お客さんが喜んでくれないと意味がないわよね。
このマーマレードはすでに販売されて、もう召上がっている方も多いでしょうからしばらくしたら食後の感想が聞こえ始めるかしら。

デコポンを加えたキンカンマーマレードのお味のほどはちょっと置いといて(置いといちゃ、ホントはいけない。)、農家さんのおまけがレシピのヒントになるっていうのはエバジャム初の経験でした。
久しぶりにキンカンの生産者さんに出来上がったマーマレードを送ってみようかしら。ヒントをありがとうって伝えるためにと、来年もこのキンカン&デコポンセットで送ってもらうためにもね。

ショウガジャムもイヨカンマーマレードも、キンカンマーマレードも2月最後の週末販売ではよく購入いただきました。
来週以降にはお客さんからのリアクションがみられることでしょう。楽しみなようなこわくもあるような、緊張がございますう。





紅色の小瓶です

お久しぶりでございます、エバジャムです。
今年から隔週で更新させていただくことになったんです。
すでに2013年も2月でございますが、そういうことになってます。
遅ればせながらよろしくお願いいたしますう。

先日、東京では成人式の日に降ったような大雪になるって大騒ぎになってましたけど、降るには降ってもたいしたことにはならなかったんですよね。
3月に季節外れの雪が降ったりすることもあるけど、やっぱり季節は変わってると感じません?
雪予報がはずれた日は、寒さの質が違ったもの。
立春を過ぎてますもんね。確実に季節は移り変わってますよね。
あ、これって東京感覚、関東感覚だけど東北や北海道はどうなんでしょう。
立春、感じられてますか?

エバジャムでは冬期の最後に、ラストスパート的に柑橘類が届き始めたわ。
ただいま工房にはキンカン30kg、イヨカン40kgがオレンジ色の美しい山になっているの。
とくにエバジャムで使うイヨカンは普通にスーパーで売られている果皮がブツブツ、ヨボンとしたのと違って、濃いオレンジ色にワックスをかけたようにツルツルでテッカリ張りがあるからなんとも言えない様子よ。すごくかわいいの。
品種は一般的な「宮内イヨカン」だったような気がするのに、この見た目の違いはなんなのかしら。今度、農家さんに聞いてみなくっちゃ。

これからしばらくこのキンカンにイヨカン、それからデコポンやグレープフルーツって柑橘類が続くのよ。
つまり、皮を刻んで刻んで刻みまくるってことなのよ。
うぐぅ…。





なあんてね、まだキンカン、イヨカンに手をつけてはいないくせにグチっぽいかしら。
気合い入れってことですわ、き・あ・い。
柑橘の季節本番の話しよりもね、冬の名物ジャム、カリンのジュレを終えた話しよ、今回は。

カリンは届いてすぐに工房のカウンターにドサリと置いとくと、お客さんの目によくとまるようでたびたび声をかけられたわ。
ふつうの果実のようにそのままパクパク食べられるものじゃないからでしょうね。「ジャムになるんですか?」って質問が多くてね。

カリンだけはエバジャムでは”ジュレ”というカタチになって瓶詰めされるのよ。
”ジュレ”ってゼリーの意味のフランス語なんだけど、ゼリーって言うより”ジュレ”のがもう少しフルフルと柔らかいイメージがしません?
するでしょ。
カリンを煮込んでこしてエキスを取り出したとこへお砂糖を加えると、カリンは自分の持つペクチンでぷるんと固まるんですね。
すごーい。
ユズやライムの柑橘類にもペクチンはたっぷりあるけど、柑橘類は果肉も果皮もいっしょにたべておいしいですもんね。だからマーマレードってかたちになるんですよね。






カリンの果肉はとても固くて生食には向かないのはみなさんもご存知かと思われます。
調べると砂糖漬けやハチミツ漬けなどに加工すると果肉も食べられるようになるらしいんですけど、ワタシはまだ食べたことないわ。
煮込むためにスライサーで薄〜く削ったものを、ちょびっとかじってみるとザラリとした渋みがベロに広がるの。フルーツとは思えないわ。
気にはなっているんだけど、カリンの果肉。食べてるって方がいらしゃったらどんなものなのか教えていただきたいわ。

ジャム屋になって8年、このカリンジュレ作りは冬の一大イベントなの。
1年に1度しかやらない方法だからよ。
カリンの煮込み具合やお砂糖の量で固まり具合が変わっちゃうんだもの、スリルは満点。
さあ、カリンだ!ちゃんと固まってもらわないと困るわよー!って緊張が走るのよ。
瓶詰めしたはいいけど固まりがゆるすぎて瓶をあけて再び煮詰め直すはめになったこともあるの。

それがね、今年はすごく落ち着いて作業を進められたのね。
拍子抜けするくらいにスリル無しだったわ。
なんでしょうね〜、慣れなんでしょうか、さすがに。
きれいにぷるんと固まってますよ。キラキラと紅色に輝いて。
このデキをうんと自慢したいとこなんだけど、まだ自分を信じられないのが悲しいとこだわね。

カリンのジュレは、収穫の年や産地、カリンの種類によって赤ワインのような渋みが強く出たり出なかったりして。今年のは軽めの渋みがるわね。
この渋みはカリンジュレファンにはアクセントのようなものなのか、好まれているのです。
ちょっと調べてみるとカリンはタンニンを含むそうで、なるほどだから渋みがある訳なのねえ。

エキスを煮出している段階ではクリーム色というか黄色っぽいへんな色をしてるのに、砂糖を加えてしばらくすればなんとも鮮やかな紅色に変身するのは(すごいでしょ!)、これはポリフェノールを含んでいるせいかしら〜。
ポリフェノールってあれでしょ、紫色系の果物には含まれてるヤツでしょ。ブルーベリーとか。






カリンと言えば咳止めってことがいちばんにあげられるようで、お客さんとカリンの話題になると「のどに良さそうね!」とか「(カリンジュレを)溶かして飲もうかしら!?」っておっしゃるけど、ワタシ自身はのどへの効能はあんまり実感ないの。
カリンのジュレのお気に入りの食べ方は、きめの細かいしっかりした白い食パン(焼かない)に多めのカリンジュレを塗って薄ぅ〜くスライスしたバターをひらひらのっけて、紅茶をお供にって食べ方よ。









九州はミカンの季節ですね。

今週14日、月曜日の雪はすごかったですよねえ。
ワタシ、この日の夕方に飛行機に乗る予定だったの。
用事があって博多に行くのに最終の20時発の便に乗る予定だったの。





この日は朝から降ってた雪のせいで月曜日の便は午前の3便をのぞいて欠航のマークが記されていたのね。ネットで調べるとそうやって情報が出てくるのよ。
で、肝心の自分が乗る予定の最終便は「遅延の可能性あり」って書いてあったわ。可能性ありだなんてちょっとぼんやりした情報じゃない?

外はものすごい雪。出掛けてったのは良いけど欠航だったりしたら嫌よねぇ。
そんな風に考えるとグズグズしてしまって、あれほどの雪だったら交通機関のおくれを考えて早めに出るべきとこなのにやや出遅れちゃった。それでも20時の便にむけて3時間弱早めに出たのよ。家を出発したときには雪は小降りになってたしね、3時間もあればちゃんと着くと思ってたのにい。
バスも電車もすごーく遅れていて(当たり前かしら〜)羽田に到着したのは20時半。それでも受付カウンターに行くまではまだ飛行機は出発してないでしょ〜、乗れるわよね〜、とあくまで楽観的だった馬鹿なワタシたち。だって「遅延」てサイトには出ていたもの。
ところが、20時の最終便は20時5分に出ていたの。
5分遅れなんて遅れのうちに入んないわよ。やるわねスカイマーク。

さて、困ったわ。ワタシたちの福岡行きチケットはどうなるの?
カウンターのスタッフに「電車遅延で乗り遅れたのよ!」と訴えたら、翌日の早朝一便なら用意出来るんですって。
でも早朝よ。6時40分発なのよ。三鷹から羽田までは1時間半くらいかしら〜。始発に乗ったってこの雪の後じゃ間に合わないんじゃないの?

この日は福岡行きの最終便は出たんだけど、たくさんの欠航便のせいで飛行機に乗れなかった何人もの人たちが翌日便を待つのかソファで寝転んでいたわ。うう〜ん、その手もあるけどね。
だけど宿をとることにしたわ。
羽田近辺でビジネスホテルでもとれそうな場所ってどこかしら?ぜんぜん分かんないけど、目に入った京急電鉄の改札で駅員さんに尋ねてみたのね。
そしたら蒲田でなんとかなるんじゃないかってアドバイスをもらってね。とりあえず京急蒲田駅に降り立ったわ。
蒲田駅の駅員さんにビジネスホテルのある通りを教わって、22時過ぎの人気の少ない、初めて降立つ京急蒲田駅ではまったくのよそ者気分だったわ。
正確にはちょっと離れた場所に位置するJR線蒲田駅には降りたことがあるけど、ずっとこじんまりした京急蒲田駅は違って感じるもんなの。たぶん、気持ちによるものが大きいんだろうけどね。
本当ならそろそろ博多に着いてるはずなのに、ここは蒲田。

この夜の蒲田のホテルはかなりの軒数が満室だったんじゃないかしら〜。何軒かに満室だと断られたもの。それでもなんとか一人一泊5千円弱のビジネスホテルを見つけて部屋に入れたのは23時過ぎていたかしら。
ちぇ〜っとな。
だけどね、余計なお金がかかっちゃったことをのぞけば、東京をなかなか出られないでいても家を出たからには旅には変わりなく、初めての経験だらけだった旅の始まりはつらいばかりでもなくて、笑えるところもあったわ。苦笑いかもしれないけど。
みなさんは悪天候で旅の途中に足止めをくった経験てあるかしら。

加えて福岡から帰る前日には夕方から降り始めた雨が雪にかわって、これもまたかなりの降りだったのよ。宿にもどるために拾ったタクシーは下りの坂道でブレーキがきかなくて横滑りしたくらい。
午前中の便がまたトラブるんじゃないかと心配だったわ。雪に始まり雪で終わる?博多?ってねえ。
結局は、翌日は快晴で、おまけに朝まで降っていた雨でだいたいの雪は溶けていて凍結もほとんどなくて空港まで難なく行けたのでした。

あら、ジャムとは全く関係のないことをダラダラ話しちゃったわ。
う〜んと、う〜んと。
福岡でなにかジャムな経験とか情報とか得たのだったかしら…。
柑橘類の時季まっただ中もあって、福岡と、寄った大分でも、道の駅や街の商店も色んなミカンであふれていたわ。
ここら辺では一ついくらのレモンがパッと見に12〜15個くらいビニール袋詰めされたのが250円だったかしら。
大好きだけど東京では絶対買えない大きなミカン晩白柚(バンペイユ)は400円で買えたわ。東京だと1個が2千円くらいするのよ。
まあねえ、ワタシは往復の飛行機代に余計なホテル代をかけてるんだものそのくらい得しなくっちゃねえ。

晩白柚と大分のハチミツや、古い旅館(泊まったわけではないわ〜)で作られている柚子のジャム、”柚子練り”は宅急便で月曜日に届くの。
この”柚子練り”がこれから仕込むユズマーマレードになにか良い影響があると良いんだけど。
旅は終わったけど、後追いでやってくる品々で余韻を楽しむつもりよ。
月曜日が待ち遠しいわ。

さて〜、2013年もすっかり明けましたね!
本年もなにとぞエバジャムをよろしくお願い申し上げます!!!
スネーク!








今年最後のお詫びでございます!


大きすぎるのも企画外(リンゴ/フジ)

みなさま、お久しぶりでございます。
二ヒル牛マガジンは金曜日担当のエバジャムです。
覚えてらっしゃるかしら…。

気がつけばもう12月も終わり。
2012年ももう終わり。
1年て早いわ〜なんてよく言うけど、そういう感覚ってあんまりないの。
ただ、2012年はゴロンゴロンと転がるように過ごした感覚よ。もうとにかくひたすらゴロンゴロンよ。

3月に突如火がついた工房物件探しに始まって、4月と5月の間に見つけた物件の賃貸条件の交渉と賃借決定からの引っ越し。
5〜7月いっぱいを片付け&改装についやしたでしょ。
この片付けと改装がものすごい大変だったの〜〜!と大変さを強調したいけど、実際のとこ大変だった思いだけが残って、どんなことが大変だったか今はもうボンヤリしてるわ…。おめでたいでしょ。
いちばんに整えた厨房で、6月にはジャムの仕込みも並行して始めてったっけ。

それから8月3日(yummy/ヤミー:「おいしい!」の日って覚えてね♡)に工房販売を始めたの、毎週金土日で。
バカだから毎週3日の販売がどうゆうことかちっとも想像出来てなかったわ。
1週間単位で考えると7日間に3日を販売に当ててお休みの日を1日とると、仕込みの時間はたったの3日になっちゃうじゃない。計算すればわかりきったことだけど。
こそこそとした1人のジャム作りには、原料のとどく兼合いなんかも含めると3日っていう日数は足りなかったの…。
気付けばジャム棚には在庫がわずかしかなくって、これではイケナイ。
すぐさま工房販売は土日の2日間に短縮したわ。
週3日の販売はたった3週し続かなかったということです。
やってみないと理解出来ないんですね。

週に3日販売から週2販売へと切替えてやっと1週間を回せるようになったかしら…。
回してるっていうようり、回ってるってのが正しいかしら。
回っちゃってるの、自分が。クルクルクルクル。きりきり舞いね。目が回ってるわ。
クルクル、ゴロンゴロン、ですわ。アハハ…。

来年はきっともう少しリズム良く動けるようになるはずよ。そうコントロールするわよ!
と、そんなつもりではいるんです。
そんなつもりで12月の頭にたてた年末年始の工房販売の予定では、年末は12月23日(日)まで、年始は1月最初の週末5、6日の土日から販売をスタートさせるつもりだったの。
だのに、またやってしまったわ!

瓶がないんです。ジャムを詰める瓶が。
もちろん瓶屋さんへ発注はかけています。
だけど瓶の発送は1月7日(月)だそう。
分かってはいるけれど「その日程は変わらないんですよね…?」と聞いてみたわ。最近変わって、若いお姉さんになった担当さんは電話の向こうで「ウッ…」っと息を詰めてらしたようだわ。
そりゃ、ワタシが相手の年末年始をちゃんとチェックしてないのが悪いんですもの。世の中は今年のお正月休みは最長9連休だとうかれるニュースが流れていたのを見て知っていたはずよ。

とにかくジャム瓶がないと困ります。
1月5日(土)からの工房販売に間に合いません。

いつもいつもお客さんにはワタシの手違いや勘違いでご迷惑をかけております。
今回も一度お知らせした年始の販売予定を訂正させていただきます。
年始の販売は1月12日(土)、13日(日)からとさせていただきます!

エバジャムには二言ばかり、です。
本当に不甲斐ないのですが、どうか許していただきたいわ。
もしも、お正月にお出掛けの予定だった方がいらしたら、ごめんなさい。
いつか工房へいらして下さった時には、ひとこと苦言を呈して下さいませ。

エバジャム工房販売、2013年は1月12日(土)、13日(日)からでございます。


はあ…。長々と言い訳を聞かせてしまいましたね。
話しを変えてと、年々暖かくなっていると言われて続いているはずの暖冬はどこへ行った?というかんじでグンと寒いですよね、今年の冬は。
それでもやっぱり北極や南極の氷はどんどん溶けているのでしょうけど。
いや、氷の話しじゃなくて、冬の厳しい寒さもだけど、今年の夏も厳しかったわ。
極!な暑さでしたよね。

その暑さのせいかと思うのだけど、今年の桃やプラムはとても美味しかったんです。
雨の少なさも美味しさの秘密だったと思われますよ。
みなさんは召上がったかしら?桃やプラム。ぶどうも、美味しかったでしょう?
その延長なのか、柿もとっても美味しかったように思うの。豊作だったって聞いているわ。

今年の柿ジャムは毎年使う次郎柿と、もう1種類、富有柿とをミックスした柿ジャムを作ったの。
今年の次郎柿の甘さは格別だったわね。
薄くスライスしたのを下にのっけると、まるでお砂糖が、和三盆糖がさわ〜っと溶けるように甘さが広がるの。
富有柿は果汁が多くてトロリした食感ね。
同じ柿でもそれぞれ見てみると形が違ってね、面白いわ。

次郎柿は四角張っているからちょっとむきにくいのよ。
比べて富有柿はふっくらとまるいの。

次郎柿




富有柿




なあんてきれいなんでしょう。
果物ってみんな美しいわ。
ヘタの形だって完璧よねえ。

柿の話しは柿ジャムを煮ている頃書きたかったのにいまごろになっちゃった。
エバジャムではファンの多い柿ジャムを、今年初めて召上がる方には気に入っていただけたかしら。

この年末はリンゴのフジをジャムにするのに明け暮れます。
2種類のリンゴジャムを作る予定で、1種類は初めてのレシピに挑戦するの。
そのジャムを、延期した来年の工房販売日に出せるようにしますからね。
ごちゃごちゃと変更する販売日にこりずに、寄って下さいませよ。

エバジャム工房販売日程
年内販売 〜12/22(土)、23(日)まで
年始販売     1/12(土)、13(日)〜から













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プロフィール

 
宇佐美エバ亜希子
うさみエバあきこ
ジャム職人
埼玉県上尾市出身
季節を追った国産果物や野菜のジャムを作ります。 エバジャムを召し上がれ!

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